4つのコア投資対象と2つのサブ投資対象」で紹介したように、投資信託は地域や商品によって、「国内株式型」「国内債券型」「外国株式型」「外国債券型」「REIT型」「その他」といった分類に分かれています。

でもこれはざっくりとした分け方。実際には、例えば外国の株式と言っても、アメリカやヨーロッパなどの先進国に投資するものや、中国やインドなどの新興国に投資するものなど、投資地域をもっと細かく分けて商品が作られています。

外国株式でも、投資する地域の経済背景などによって、値動きや価格上昇率は大きく異なるもの。そのため、外国株式型のファンドも、「経済が成熟している先進国」と「経済成長が著しい新興国」に分けて考えることは必然のこと。どちらにも分散投資をしていたほうが、よりリスクを抑えて、安定したリターンを狙うことができるのです。

投資先は、ブラジル、ロシア、インド、中国といったBRICs諸国のほか、中東、アフリカ、台湾など、経済の拡大が期待できる地域に投資するファンドが続々と登場しています。ただし、新興国の株式に投資するファンドは値動きが不安定というデメリットも。どの国が成長していくか調べて判断できる、また、今後の成長を長い目で見守れるという人向きだと言えるでしょう。

こうした地域別のファンドのほか、根強い人気を誇るのが「テーマ型」と言われる投資信託です。これらは特定のテーマに関連する企業の株に投資するファンドのこと。

例えば7月に北海道で行われた洞爺湖サミットでは、環境問題や資源高騰への取り組みがテーマの中心でしたが、投資信託の世界でも同様のテーマのファンドが2006年後半から相次いで設定されています。

まず「環境ファンド」と言われるのは、温暖化対策を防ぐための技術やサービスに取り組んでいる企業へ投資をするファンドのことです。そのほかにも、世界的な規模で需要がひっ迫している水、食糧(農業)、エネルギーなどを、安定して供給するための事業を展開している企業に投資する「資源ファンド」、新興国のインフラ整備に力を注ぐ企業に投資する「インフラファンド」など、さまざまな種類があります。

環境問題や資源価格の高騰は、ニュースで多く取り上げられているため、私たち個人投資家にとってもテーマが身近。これらのテーマに関わる企業は、ニーズが高まることでビジネスの拡大も期待でき、株価が上がればファンドの価格も上がることが期待できるというわけです。ファンドの投資対象や運用に対する姿勢がわかりやすいのも特徴といえるでしょう。

ただし、テーマだけを見て判断するのではなく、投資先をきちんと確認することが大切です。これらのファンドが投資する企業の多くは、日本を含めた先進国の企業。つまり、国内株式や外国の先進国の株式に投資するファンドと、投資先が重なることもあるのです。

また、「温暖化防止」などとテーマが決められているため、投資先の企業や業種の幅が限られるという特徴もあります。

いずれにしても、環境などのテーマ型ファンドは、投資先企業の収益と株価がすぐさま上がり、ファンドのリターンが大幅に上がるなど、短期で投資結果が出るものではありません。長くつき合っていけるファンドなのか、中身と運用スタイルをしっかり吟味して、選ぶことが得策なのです。

次ページからはいよいよ、投資信託の買い方を説明。投信はどこで売っているかについて解説します。