日本株も日本債券も外国債券も持っているというマルチ派の人でも、なかなか外国株に直接投資しているという人は少ないのではないでしょうか? 店頭を持つ総合証券で、現地に取次販売店を持っていれば、アメリカはもちろん、イギリス、フランスなど主だった国の株式を注文することができます。ただ、どんな銘柄があって、投資するのにいくらかかるのか、業績の推移や株価の今後の見通しは? といった情報を入手しようと思うと、現地語の情報を自分で探すことになります。買いたいと思っても、なかなか手を出せないのが現状なのです。

ただ、これから伸びそうな投資先、安定していそうな投資先と考えると、日本株だけに投資していたのでは心配。たとえば、これからの世界経済を背負っていくだろうといわれているインドと中国。中国株はネット証券でも購入でき、日本語での銘柄情報も充実はしてきていますが、株式投資自体に慣れていない人には、やはり敷居が高いです。まして、インド株となると、素人が直接投資するのはかなりむずかしくなります。

安定した投資先ということでは、ユーロつまりヨーロッパも投資先として注目です。世界におけるアメリカの立場が弱くなればなるほど、相対的にユーロの役割や期待は大きくなってきています。ひとつひとつの国としてではなく、経済地域であるユーロとしての舵取りがきちんとできるようになり、ユーロへの投資も今後欠かせないものになるでしょう。

このほかにも、エネルギーや鉱物など資源関連の値段が高騰するなか、先進国と新興国といった従来の国の分け方ではなく、新たに、資源国か非資源国かということで、国を見ていく考え方も出てきています。現在、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国が大きく発展し、それに伴い人口も爆発的に増えて、その人々が消費をはじめています。

彼らがみな、家電を買い、自動車に乗り、豊かな食事をするようになれば、電気を使い、ガソリンを消費する、自国では生産していない食材も口にするということになり、いわゆる資源というものがすごい勢いで消費されるようになるのは確かです。石油や鉄鉱石、はては小麦やコーヒーなども足りなくなっていく、つまり値段が上がっていくのは必然です。

こうなると資源を持っている国と持っていない国で今後の成長が違ってくる可能性があります。オーストラリアやブラジル、カナダなど資源を豊かにもっており、輸出する立場にある国が資源国。一部の資源を持ってはいるものの自国では賄えず、資源を輸入している国が非資源国ということになります。投資先として、資源国を選ぶべきなのは、みなさんおわかりでしょう。

こうして考えていくと、BRICs、ユーロ、資源国などは、どこも有望な投資先かもしれませんが、なかなか自分で投資できる地域ではありません。その点、投信はこうした地域に投資している商品が豊富にあります。

BRICsであれば、もちろん、BRICs4カ国に投資するBRICs投信といったものもありますし、ブラジル、ロシア、インド、中国など単一国にそれぞれ投資する投信もあります。単一国にに投資している投信4本を購入してもいいわけです。

もちろんユーロ株に投資しているファンドも豊富にありますし、なかにはルイ・ヴィトンといった有名ブランドだけに投資する投信といったユニークなものもあります。

資源国に投資する投信も資源国の債券に投資する投信、国というよるは、資源関連に強い企業だけを選りすぐって投資する世界資源株投信といったものも最近充実してきています。

投信の魅力は上記のように、自分では投資できない国や地域に気軽に投資できること、さらに1万円といった少額から投資できることも大きいです。投資中上級者は、外国株型投信のなかから、選りすぐりの1本を選んでみてください。