国内だけでみても、4,000とも5,000ともいわれている投信のなかから、いったいどれを選べばいいのか、1つの商品を選び出すのは至難の業です。そこで、投信選びのひとつの参考としてみてほしいのが、「純資産残高一覧」です。なんだか聞きなれない言葉ですが、要は世の中でたくさん売れている(=資産をたくさん集めている)投信のランキングです。資産をたくさん集めているという意味では、人気ランキングといっても過言ではないでしょう。

今回掲載しているのは7月22日現在のランキングです。1位の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、"グロソブ"の愛称で有名。過去数年にわたって、人気ランキング1位を続けるNO1投信です。世界主要先進国のソブリン債券を主要投資対象としていますが、ソブリン債券とは、一言でいうと安全性の高い債券のこと。OECD 加盟国のうち、A 格以上の債券に投資しています。また投資対象から得た配当や値上がり益を原資にした配当金を毎月出している点も人気の秘密。毎月分配型の元祖でもあります。

2位のピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)」はモーニングスターという格付け機関で5つ星を獲得している、運用が優れていると評価されている外国株式投信。先進国の株式のなかでも、電力株のような値動きが安定していて、安定して配当を出す株式を選定して投資しています。こちらも毎月分配なのも人気の秘密です。

こうしてみていくと、ランキング上位は配当金が毎月あるいは2カ月に1度出るタイプばかりなことがわかります。これは、購入者の中心層が定年を迎えたシニア層のため。投資をしながら、毎月おこづかいがもらえるうれしさから、人気投信のなかから、分配が高い頻度でもらえるものを選んでいるといえます。

またランクインしている投信のほとんどが、外国債券に投資している点も特徴。昨年8月にリスクの高い層に貸し出す住宅ローン・サブプライムローンの破たんがアメリカで発覚。世界中の株価が下がって以来、マーケットは先行き不透明になっています。そのため、高金利で安全性の高い外国債券への人気が高まっているといえるでしょう。

純資産残高ランキングにランクインしている投信が優れた投信とは一概にいえません。ただ、どんな投信が人気なのか、世の中のトレンドを抑えておくことは大切なことです。

純資産残高ランキングは投資信託協会Webサイト投信格付会社モーニングスターWebサイトなどに掲載されていますので1度見てみてください。

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