どの投資信託(=投信)を買ったらいいのかわからない、というときに、もうひとつ、参考にするとよいのが、受賞ファンドを調べてみることです。

投信の場合、モーニングスター、リッパーなどの格付け機関が毎年、その年でパフォーマンスが優秀だったもの、運用面で注目だったものを選んで賞を出しています。

なかでもモーニングスターが実施している「Fund of the Year(ファンド・オブ・ザ・イヤー)」は1999年から賞がスタート。既に9回の実績があり、車でいうところのカー・オブ・ザ・イヤーのように業界では、信頼ある賞となっています。

前回2007年度の受賞内容を見てみると、「国内株式型」「国内債券・国際債券型」「国際株式型」「国内ハイブリット型・国際ハイブリット型」の4部門から構成。それぞれ最優秀ファンド賞1本と優秀ファンド賞が3~5本選ばれています(表参照)。

国内株式型で最優秀ファンド賞に選ばれたのは「株主還元株オープン」(大和証券投資信託委託)。1991年設定という投信としてはかなり長い実績です。2007年の運用実績がTOPIX(配当込み)を8.17%上回る年間リターンだったということが選定ポイントの理由ですが、エコノミスト・ストラテジスト7人、アナリスト22人、クウォンツアナリスト6人という運用体制で設定来、高パフォーマンスを維持している「勝ち続けている投信」という点が大きな受賞理由でしょう。

しかし、こんな優秀投信でも、国内約2,000本(選考対象ファンド数)のなかで、決して有名な投信ではありませんでした。おもに(1)大和証券で売られていたこと(販売会社11社)、(2)どうしても広告は新規設定投信中心なため、実績があっても古い投信は広告などがされることがなく、目にする(=知る)機会がなかったこと、などが無名な理由かもしれません。店頭では教えてもらえない優秀投信を自分で発掘するには、こうした受賞ファンドと丁寧に発掘するといい典型例でしょう。

同じ国内株式型で優秀ファンド賞を受賞した「アクティブバリューオープン『愛称:アクシア』」は、2年連続受賞の常連受賞ファンド。長期安定運用投信として定評があり、ファンドマネジャーの衣川明秀氏も、新聞などでもよくコメントを出している有名ファンドマネジャーです。名前のとおり、バリュー株(=割安株)に注目して投資していく運用方針ですが、勝ち続ける投信の代名詞になっています。この投信は大手証券会社などでは販売されておらず、ネット証券やネット銀行が主な販売会社になっています。つまり、店頭でポスターを見かけるといったことは少ないと思われます。

投信は販売会社によって、取り扱うラインナップがそれぞれ違うため、自分が購入しようと思う銀行や証券会社で取り扱っているなかから、購入投信を選ばなければなりません。逆にアクシアがほしいと思えば、取り扱い会社である楽天証券やイーバンク銀行に口座を開く必要があるわけです。

投信購入は、買う場所をまず決めるか、買いたい投信をまず選んでそれを売っている販売会社に出向く(ネットもあるが)のどちらにするか、まず決める必要があるというわけです。

次ページでは今一番売れている投資信託のバロメーター「純資産増額ランキング」について解説します。