投資信託は、「銀行」「証券会社」「ゆうちょ銀行」などの主だった金融機関ならどこでも購入できます。ただしどこでも同じファンドを扱っているわけではありません。なので、近所にある、ラインナップが豊富など、利用しやすいところを選ぶことが大切です。では、それぞれの特徴を紹介していきましょう。
まずは、いちばんなじみのある「銀行」から。投資信託はもともと証券会社で扱っている商品でしたが、1998年12月に銀行での販売が解禁されました。銀行で扱っている投資信託は、前述した「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」の、4つの投資対象の商品が中心です。国内株式型ならばインデックス型からアクティブ型まで数種類~数十種類が用意されています。一方で外国株式型などは本数がやや限定されています。
投資信託を買うときには投資信託専用の口座を開かなければいけませんが、銀行の給与振込口座に投資信託口座をセットすれば、銀行口座から振り替えで、投資信託の購入が可能です。投資信託を積み立てで買うときも、積立日を給与振り込みの翌日などに指定しておけば、口座の残高が足りなくて積立ができなかった……、なんて心配もありません。
ただし、昨年導入された金商法(金融商品取引法)の影響で、窓口で購入手続きをするときには思いがけず時間がかかるかも。金商法とは私たち利用者の保護を目的とした法律で、商品パンフレットにリスクを分かりやすく表示することや、窓口でリスク説明を徹底することなどが、販売会社に義務づけられているのです。特に銀行では丁寧に説明してくれるので、「分からないことは全部聞いちゃおう!」というスタンスの人にはピッタリです。
次の販売会社は「証券会社」。もともと株式をはじめとする投資商品を扱っているだけに、投資信託の種類は豊富。銀行で扱っている4つの投資対象に加えて、新興国の株式に投資するファンドのほか、コモディティファンド、REITファンドなども揃います。「たくさんある種類の中から選びたい」という人にはピッタリです。
ただし、証券会社の口座は給与振込口座に指定できないことがほとんどなので、証券会社の口座にあらかじめお金を入金しておいて、そこから購入することになります。また、一部の証券会社では、投資信託を積み立てで購入する場合に、銀行口座から自動引き落としができるようになっているところもあります。
証券会社では、投資信託のほかにも、株式や外国債券などの投資商品を扱っています。投資信託で投資に慣れて、ほかの投資商品にチャレンジしたくなったときに備えて、口座を作っておくのもいいでしょう。
最後に紹介するのが「ゆうちょ銀行」です。日本郵政公社は2007年に民営化され、「郵便局」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」に分社化されました。投資信託が買えるのは、ゆうちょ銀行と、ゆうちょ銀行の窓口でもある郵便局。銀行の普通預金にあたる通常貯金口座が決済口座になり、購入代金が引き落とされたり、分配金を受け取ることができます。
ゆうちょ銀行で扱っている商品は現在9タイプと、銀行よりもさらにセレクトされた品揃えです。4資産のほか日本と海外のREITに投資するファンドもあり、全体で6資産をカバーしていますが、取り扱い本数が少ないので、いろいろな種類から選びたいという人は、ちょっともの足りなさを感じるかもしれません。
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銀行、証券会社、ゆうちょ銀行ともに、店頭のほか電話やインターネットでも投資信託を買うことができます。インターネットの場合、24時間注文が可能な場合も多いので忙しい人にも便利です。
なお、ネット取引の種類は、
(A)店舗がある銀行・証券会社でネット取引も併用している
(B)ネット専業の銀行・証券会社
の2種類があります。(A)の場合は、窓口よりも種類が厳選されていることもあるので、窓口で口座を開き、ネット取引はサブ取引として利用するといいでしょう。
(B)のネット銀行、ネット証券の最大のメリットは、店舗で買うよりも手数料が安いところが多いこと。最近では投資信託の取り扱い本数も増えてきています。
このように販売会社の特徴は実にさまざま。取り扱い商品や利便性などを考慮しながら、自分に合っているところを選びましょう。
次ページでは投信を購入するには専用の口座が必要かについて説明します。