投資信託(=投信)のなかで、最近人気なのが、分配金が毎月出る毎月分配型投信です。分配金は、投資した株式や債券の配当金や値上がり益を原資として、投資家に分配するもので、通常は年に1度の決算期などに出されます。それを毎月決算をするようにして、そのたびに分配金を出すというのが毎月分配型の仕組みです。
たとえば、人気のグローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)(=グロソブ)の場合、毎月17日に決算していますが、ここ数年は1口につき40円の分配金が配当されています。現状基準価額が7,600円程度ですから、仮に100万円支払うと約131.5口を購入することができます。1口=40円ですから、毎月5,260円(税引き前)を手にすることができるわけです。何もしないのに、100万円を投資しただけで、毎月5,000円が手にはいるなんて、まさに夢のような話です。
実際、毎月分配型投信については、毎月分配することで、長い目で投資できないのではないか、分配金からは源泉税が取られるので、毎月税金を支払うのは、投資上は非効率(再投資する場合)ではないか、そもそも毎月分配するために手数料が高くなっているのではないか、など批判も多くあります。それでも、グロソブの場合、5兆円以上のお金が集まり、今なお、増え続けているということは、毎月分配金をもらいたいといニーズがあるからではないでしょうか。
毎月分配型は一般には、年金世代など、自分の預貯金はなるべく取り崩したくないけれど、おこづかいはほしいという世代に受けているといわれています。確かに、100万円を投資して、毎月5,000円を受け取れたら、それをおけいこ事の月謝にあててでもいいし、友人と月に1度の豪華なランチにも使えます。生活が楽しく、潤いのあるものになるのは確かでしょう。
それを見習って、主婦や独身の人、サラリーマンも資産の一部に毎月分配型を持ってもいいかもしれません。特に子育て中の専業主婦など、なかなか自分の自由になるお金がありません。結婚前のトラの子の100万円で毎月分配を購入したら、少しでも自由になるお金ができるのです。サラリーマンでも、妻に胸をはって、夜の飲み会に行けるかもしれません。
なかには、毎月ではなく、3カ月に1度の形で決算する3カ月分配型投信というのもあります。毎月はおこづかいがいらない、という人は3カ月型にして、3カ月に1度の分配金を洋服購入にあてたり、日帰り温泉ツアーの費用にするといった使い方もあるかもしれません。
ちなみに、こうした分配型投信の分配金は決して、金額が保証されているものではありません。運用環境が悪化したり、投資判断を間違えたりすれば、分配金を出すことができません。つまり、当てになるお金ではないのです。ですから、子どもの学費を分配金で出すといった必ず必要になるお金に当てるといった計画をたてるのはNGです。
またこのタイプは10年後、20年後に大きく増えるという成長型の投信ではありません。むしろ、基準価額の値動きでいうと、安定している、違う言い方をすれば成長はしないタイプです。なので、現在20~30代という人は、将来のために投信を買うなら、毎月分配型は避けるべきです。大きく成長するタイプの投信を中心に運用しているけれど、お楽しみで分配型も持っているというスタンスでいるのが望ましいと思います。