日本で買える投資信託は5,000本とも言われています。投資対象や投資スタイルの幅が広いので、投資初心者であれば「どれを選べばいいかわからない」と思ってしまいがち。でも中身をよくよく見てみると、「投資対象」と「投資スタイル」を組み合わせることによって、投資信託の特徴がそれぞれ出ていることがわかります。

「投資対象」とは、日本の株式や債券、海外の株式や債券など、地域や商品のこと。これらの資産に単独で投資するファンドや、いろいろな資産をミックスして投資するファンドなどがあります。

また、投資先は同じでも「投資スタイル」に応じて、インデックス運用とアクティブ運用に分けられます。たとえば日本株に投資するファンドでも、インデックス運用とアクティブ運用のどちらを選ぶかによって、リターンもコストも違ってくるのです。

ではインデックス運用とアクティブ運用はどこが違うのでしょうか。国内株式型のファンドを例に詳しく解説していきましょう。

まずインデックス運用のファンドは、基準価額(投資信託の時価のこと)が機械的に、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と連動するのが特徴です。指数とする市場全体に投資するのと同じ効果があり、パッシブ運用とも言われています。日経平均株価やTOPIXは、テレビや新聞のニュースなどで目にする機会が多いので、わざわざ基準価額を調べなくても値動きがつかみやすく、初心者向けとも言えます。

一方のアクティブ運用のファンドは、投資のプロであるファンドマネージャーが、企業を調査・分析して銘柄を選び出し、投資割合などを決めていくのが特徴です。成長を見込んで投資していくタイプで、基本的にはインデックス運用を上回るリターンを目指していきます。

こうして見てみると、プロが積極的に運用するアクティブ運用の方がよさそうに見えるかもしれません。でもどちらにもメリット・デメリットがあるため、一概にどっちがおトクとは言えないのです。

インデックス運用の場合、さきほど述べたとおり、値動きがわかりやすいというメリットがあります。また、機械的に基準価額が連動するなど、運用側の手間がそれほどかからないので、コストが低くおさえられています。中には購入時に販売会社に支払う「販売手数料」が無料のものもあるのです!

日経平均株価など同じ指数に連動するタイプのファンドなら、運用成績はそれほど変わりません。つまりコストが安くて、自分が買いやすい販売会社で扱っているものを選べばいいので、買う側としては選ぶのがカンタンです。

ただし、あくまで指数連動なので、そのときの相場環境に運用成績が左右されてしまう宿命を負っています。市場全体が低迷しているときは、インデックス運用のファンドの基準価額も値下がりしてしまうもの。「今後もこの市場は伸びていくはず!」と思う人や、「収益は市場平均並みでいい」という人は、インデックス運用のファンドを選ぶといいでしょう。

一方のアクティブ運用の場合は、専門家が銘柄を選択、投資配分などを決めて機動的に運用しています。運用がうまくいけば、インデックス運用のファンドよりも高い収益をえることもできるのがメリットです。市場が低迷しているときはインデックス運用のファンドも値下がりしてしまいます。そんなときでもアクティブ運用なら、投資先によっては値下がりをある程度抑えることもできるのです。

ただしアクティブ運用のファンドは、手間や人件費などがインデックス運用よりもかかる分、一般的に運用コストも割高になってしまいます。中でも「信託報酬」というコストは、その投資信託を持ち続けている間ずっとかかり続け、純資産総額から差し引かれます。差し引かれた分は運用成績にも影響が。コスト高はデメリットというわけではありませんが、インデックス運用よりリターンが期待でき、コスト分を上回る運用ができる"優秀なファンド"を探す必要はあります。

まずはインデックス運用のファンドからはじめて、投資信託に慣れてきたら気になるアクティブ運用のファンドを組み合わせて持つ、という方法もオススメです。

次ページでは4つのコア投資対象と2つのサブ投資対象について解説します。