――その他の注目のキャストはいかがでしょうか?
栗原:佐藤寛太くんは、これをきっかけにガーッと行ってほしいですね。お芝居がすごく上手で、かわいらしいですし。それと、藤岡弘、さんの息子の藤岡真威人くんは、候補生の中では一番年下で、元気の良いキャラクターなんですけど、育ちが良くて普段はおとなしいからはっちゃけた役ができるかな?と思ったんです。でも、それがすごくできているので、「ちゃんと役者さんなんだな」と思いましたね。
渡辺:個人的には時任勇気さんが楽しみです。『世にも奇妙な物語』で少しお仕事をしたことはあったんですけど、今回初めてがっつりご一緒して、お芝居の仕方がすごくナチュラルだなと思ったんです。街で隣にいてもおかしくないという感じがあって、演じる丸山という役がフィーチャーされる回もあるので、世の中の認知が一気に上るのではないかと期待しています。
――お父さん(時任三郎)ゆずりで、背も大きいのですか?
栗原:もうずば抜けて大きいです(笑)。今回の候補生キャストはみんな大きいんですけど、町田くんと時任くんが大きすぎて、他の人たちがあんまり大きく見えなくなっちゃって(笑)。現場で北村さんに「全員大きくて、みんなカッコいいというのが伝わりにくいから、普通の背の人を交えて見せたほうがいいよ」と言われました。
渡辺:台本を作ったときに、藤岡くんの西という役はちょっと背が小さいキャラクターを想像していたんですけど、実際は179cmあるんですよ(笑)。でも、本人のキャラクターがかわいらしくなってるから、想定通りに見えてすごいなと思いました。
■本職の自衛官たちを引き寄せる白石麻衣
――防衛省の全面協力というところでの見どころを教えてください。
栗原:驚くくらい協力していただいて、最初予定していた以上に、8割がた駐屯地で撮影しているので、映像的にはインパクトがあると思います。エキストラもリアルな自衛官の方々に各シーン出ていただいて、トラックや戦車などの車両もリクエストして出していただいているので、見たことのない映像が見られるんじゃないかなと思います。衣装ひとつとっても、本物じゃないといけないので、衣装合わせにも来てもらい、役者さんに着方や装備品の付け方まで指導していただきました。帽子のサイズから何から本当の全面協力です。いろんなセクションの方々が手伝ってくださる感じで、音楽隊のイベントのシーンを撮ったときは、音楽隊の人たちだけじゃなくて、イベントのときに必ず登場する着ぐるみまで来てくれて(笑)。先方としても、陸上自衛隊の活動をきちんと見せるいい機会でもあるので、惜しみなく提供してくださっている感じです。
――本職の方たちは、キャストの皆さんを見て何かおっしゃっていますか?
栗原:ひとつとても分かりやすいことがあって、白石麻衣さんの周りに大勢の自衛官の方が集まってきます(笑)。敬礼ひとつするのに5人くらいの自衛官の方が囲んでいて(笑)
渡辺:町田さんが同じシーンで、「自分越しにいる白石さんの動きにずっと皆さんの視線が行っているのをあからさまに感じる」と言っていました(笑)
――今回は二部構成ということですが、その意図や見どころはいかがでしょうか。
栗原:やっぱり候補生は一人前じゃないので、一人前になってからの試練は種類の違うものじゃないですか。そこは両方ちゃんとやるべきだと思ったのもありますし、中盤で1回最終回っぽいのがくるのも斬新じゃないですか。でも、台本を作りながら「これで終わりと思われたらどうしよう」ってドキドキしちゃって(笑)
渡辺:第二部はメンバーが変わると、まただいぶテイストが変わって見えるんだろうなと思いますし、それを僕らも楽しみにしています。第二部に入ると違うドラマなんだけど宙と馬場の成長は続いていきますので、1つのドラマでまた違う楽しみ方ができるというのは、いいんじゃないかなと思います。
栗原:それと、自衛隊って楽しい部分もあるんですよ。自衛官にもプライベートがあるんですけど、候補生には与えられていないんですね。そこも描きたかったので、一人前になってからも見せたいというのがありました。
渡辺:恋愛事情とかも描いていきますので。
栗原:あと、大勢のシックスパックイケメンを出したいというのもあって、2部に分けるとその分出てきますので(笑)
――では、視聴者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
渡辺:夏にぴったりな熱いドラマになると思います。最近見てないけど、連続ドラマでこういうのを見たかったなと思ってもらえるような、ある種の王道の面白さが詰まった青春群像劇を目指して作っていますので、楽しみに見ていただけるといいなと思っています。
栗原:ドラマ好きな女性は、当然イケメンがいっぱいいるし、ドラマの内容としても王道なので、見やすくて楽しめるものになっています。ドラマに興味ない男性とかも、防衛省全面協力だからこそ実現できたインパクトのある映像に、きっと見てみたいと思ってもらえるような内容になっていると思います。そして、自分と照らし合わせてみて、「こういう生き方もあるかな」とか、「俺ってこんなふうにちゃんと燃えてるかな」とか、男の人たちも興味を持ってくれると期待をしています。ご年配の方々も、昔からある歩兵の活躍に対する愛着もあると思います。お子さんも、見てるだけで映像的に分かりやすく動いているので、団体で走ったり飛んだりしてるからこそ、スポーツものっぽくも見られるかなと思います。そうやって、いろんな人が見て楽しめるものになればいいかなと思います。
渡辺:たしかに、いろんな見方ができますね。職業ものとして見ると、お子さんは陸上自衛隊ってこんな人たちなんだって初めて見て新鮮に思えるでしょうし、年配の方々は「こうやって守ってくれてるんだな」と感心してくださったり、ミリタリーに詳しい人にも「ちゃんと作ってるな」と応えられるようなものにはなってると思います。
栗原:そして、白石麻衣さんをキャスティングしている以上、皆さんが楽しみにしているラブ要素も当然入っていますので、そこも楽しみにしてほしいなと思います。
●渡辺恒也
1982年生まれ、熊本県出身。東京大学卒業後、05年にフジテレビジョン入社。以来ドラマ制作セクションで『HERO』(第2シリーズ)、『救命病棟24時』(第5シリーズ)、『医龍 Team Medical Dragon3』『黒井戸殺し』『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』『教場II』『死との約束』などをプロデュースし、編成企画として『サザエさん』『海月姫』『ストロベリーナイト・サーガ』『世にも奇妙な物語』『テッパチ!』などを担当する。
●栗原美和子
1964年生まれ、福岡県出身。早稲田大学卒業後、87年にフジテレビジョン入社。『オレたちひょうきん族』『笑っていいとも!』などのバラエティ番組を経て、92年にドラマ制作に異動し、『ピュア』『ドク』『バージンロード』『ムコ殿』『人にやさしく』『東京湾景』などをプロデュース。09年から共同テレビジョンに出向し、『結婚相手は抽選で』『リカ』(東海テレビ)、『ハル~総合商社の女~』(テレビ東京)などを担当。現在は共同テレビ執行役員第1制作部長ゼネラルプロデューサーを務め、『テッパチ!』を企画・プロデュースする。