「テレビをほぼ見ない」若年層が、さらに増えている――NHK放送文化研究所が16日に発表した「2025年国民生活時間調査」で、調査した平日に15分以上リアルタイムでテレビを視聴した人の割合は、16~19歳で27%、20代で33%にとどまった。

  • NHKと民放キー局5社

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20代の7割が平日ほぼテレビを見ず NHK調査で“テレビ離れ”さらに鮮明に

NHK放送文化研究所は16日、「2025年国民生活時間調査」の結果を発表した。調査した平日に15分以上リアルタイムでテレビを視聴した人の割合は、全体で71%となり、前回2020年調査の79%から低下。若年層を中心に、テレビのリアルタイム視聴から離れる傾向がさらに鮮明になった。

16~19歳と20代は7割が“ほぼ見ず”

調査した平日に15分以上テレビをリアルタイム視聴した人の割合は、10~15歳が42%、16~19歳が27%、20代が33%、30代が43%。裏を返せば、16~19歳と20代では約7割、30代でも6割近くが、平日にテレビをほぼ見ていないことになる。

前回の2020年調査では、16~19歳が47%、20代が51%、30代が63%だった。5年間で、若い世代のテレビ視聴習慣が大きく変化した形だ。

40代も55%にとどまり、30代以下ではすべて5割を下回った。テレビが日常的に“ついている”メディアだった時代から、必要な時に見たいものを選んで見る時代へと、視聴行動の変化が進んでいることがうかがえる。

すべての世代でリアルタイム視聴が減少

テレビのリアルタイム視聴の減少は若年層に限らない。

世代別では、40代が55%、50代が73%、60代が84%、70歳以上が92%。高齢層では依然としてテレビの存在感は大きいものの、前回調査と比べると、50代は83%から73%、60代は94%から84%、70歳以上も95%から92%へと低下した。長くテレビ視聴を支えてきた中高年層にも、変化が広がっている。

ネット動画やSNS利用は拡大

一方で、インターネット動画の利用は拡大している。YouTube、TVer、Netflixなどのインターネット動画の利用者率は、全体で2020年の20%から2025年には29%へ上昇した。

SNSやインターネット利用も増加傾向にあり、メディア接触の中心が、リアルタイム放送からネット上の動画・SNSへと移りつつある実態が浮かび上がった。

特に若い世代では、テレビ番組をリアルタイムで見るよりも、スマートフォンで動画やSNS、見逃し配信を利用するスタイルが一般化しているとみられる。

視聴者は減少も、視聴時間は増加

ただし、テレビそのものの利用時間が一律に減っているわけではない。リアルタイムでテレビを視聴する人は減少した一方で、国民全体のテレビ利用時間は、2020年の3時間1分から2025年には3時間14分へ増加した。

特に70歳以上では、テレビ利用時間が2020年の5時間12分から2025年には5時間47分へ増えている。つまり、テレビを見る人は減っているが、見ている人の視聴時間は長くなっている側面もある。

若年層の“テレビ離れ”が進む一方、高齢層にとってテレビはなお生活の中で大きな位置を占める。今回の調査結果は、テレビが国民共通のメディアから、世代によって接触の濃淡が大きく分かれるメディアへ変化していることを示している。

1960年から続く生活実態調査

「国民生活時間調査」は、NHK放送文化研究所が1960年から5年ごとに実施している、日本人の生活実態に関する基礎調査。今回はコロナ禍後初の調査で、仕事時間、家事・育児、在宅勤務、メディア利用など、生活行動の変化が幅広く調べられた。

仕事時間は2020年調査とほぼ同水準で推移し、コロナ禍前の水準には戻らなかった。また、東京圏では在宅勤務が一定程度定着。家事時間では男性の増加傾向が続き、特に未就学児を持つ世帯で育児時間の伸びもみられた。

テレビ視聴の減少とネット動画・SNS利用の拡大は、こうした生活行動全体の変化の中で起きている。リアルタイムで同じ番組を見る習慣が弱まり、個人がそれぞれのタイミングで情報や娯楽に接触する流れが、よりはっきりした結果となった。