友近とフィルムエストTVがプロデュースする“あの頃風”サスペンスドラマの第2弾『友近サスペンス劇場II 寝台特急「はつゆき」殺人事件』が、YouTubeチャンネル「フィルムエストTV」で公開され、7月31日時点で再生数は147万回を突破した。
企画・主演の友近演じるトラベルライターの黛京子と、モグライダー・芝大輔演じる相棒のカメラマン・奥野茂が、寝台特急「はつゆき」に乗り合わせた同窓会ツアーの一行とともに、石川県七尾市の和倉温泉を目指す中で事件に遭遇する今作。前作からスケールアップした物語と映像、豪華キャスト、最新技術を駆使した“昔のテレビ”の再現、そして能登への思いが詰め込まれた。
そこで、友近、芝、西井紘輝監督に、第1弾を超えるために強化した物語と映像、最新技術と地道な手作業によって“あの頃”をよみがえらせた制作の舞台裏を聞いた――。
世界観の新鮮さでも注目された第1弾を超えなければ…のしかかる重圧
第2弾の構想は、第1弾を作り終えた早い段階から動き始めていた。企画・プロデュースも手がける友近は「やりたいことが多かったので、“次はあのシリーズでいこう”と、ずっと考えていました」と明かす。
同窓会ツアーは、友近が昔から好きだった2時間サスペンスの定番設定。かつて見た作品では、同窓生たちが河口湖へ出かけ、既婚者同士の不倫関係が明らかになり、参加者が次々と殺されていったという。「一番見入っちゃった設定かもしれない」と話すほどお気に入りだそうで、今作で実現したことに、ご満悦の様子だ。
芝は、続編の決定を「単純にうれしかった」と振り返る。前作の撮影後、出演者やスタッフが口々に「楽しかった」と話しており、公開後の反響も大きかったことから、「“できるならすぐやりたい”という感じだったので、ありがたかったです」と喜んだ。
一方で西井監督には、「あの頃の2時間サスペンスを完全再現する」という世界観の新鮮さでも注目された第1弾を超えなければならないという重圧があった。
「第1弾の良さを残しながら、第2弾をいかに伸ばすか。そのキーポイントになると思ったのが、2時間サスペンスという文化そのものが消えてしまっていることでした」(西井監督)
そこで目指したのが、『友近サスペンス劇場』を単発のパロディーで終わらせず、一つの文化として定着させること。「そのためには、サスペンスドラマとして誠実に作らないといけない。ストーリーを綿密に組むなど、前作以上にこだわりました」と力を込める。
友近は、西井監督、脚本の前田知礼氏と物語を練る時間を「すごく楽しかったです」と回顧。芝も「前作は、ちょっとやりすぎたコントのノリという雰囲気もありましたけど、今回はサスペンスドラマをちゃんと撮っているという感覚でした」と違いを語る。
作品に詰め込んだ“2時間サスペンスあるある”の数は前作より増えているというが、物語に引き込まれる力が強まり、能登で行われた上映会でも、観客は最後まで集中して見入っていたという。笑えるポイントを残しながら、推理に没頭できる本格サスペンスへと進化させたのだ。
スタッフ人数約2倍でカメラワークも進化
第1作の成功を受け、制作スタッフは約2倍に増えた。西井監督は「本家ほど人数は多くないですけど、前作と比べたらはるかに増えました。やれることも増えましたし、演出にもこだわれた。第1弾の成功あってこその第2弾です」と胸を張る。
これによって大きく変わったのは、カメラワークとカット割り。前作では人物を一人ずつ撮り、相手側から撮り返すようなシンプルな構成が多かったが、今回は一人の人物からカメラを振ると、その先でツーショットになる…といった奥行きのある動きを積極的に取り入れた。
こうしたカメラの動きも、かつての2時間サスペンスを再現する重要な要素だといい、西井監督は「前作より“あるある”を具体化できました」と手応えを語る。
また、出演者の数も増加。湯江タケユキ、中村繁之、松居直美といったかつての時代を知り、当時から第一線で活躍してきた俳優たちが参加したことで、友近は「ものすごいリアリティがありました」と声を弾ませた。


