「『M-1』の決勝でレジェンドたちにネタを見られるみたいな怖さ」お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、2015年のデビュー小説『火花』芥川賞受賞時を振り返った――。
『火花』で芥川賞受賞「絶対にないと思っていた」
16日に更新されたYouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、当時の状況を問われた又吉は、「赤坂見附のホテルのラウンジみたいなところで、(電話を)待ってて」と振り返り、「僕これマジで、絶対に受賞はないと思ってたんです。本当の本当にないと思ってた」と本音を吐露。実は内心、「めっちゃ憂鬱だった」そうで、「日本を代表する作家たちが、選考委員としていらっしゃるので。その人たちに読まれるって、『M-1』の決勝でレジェンドたちにネタを見られるみたいな怖さなんです」と胸中を語った。
また、編集者から電話がかかってくれば“落選”、知らない番号からかかってくれば“受賞”ということがわかってしまうため、発表を待つ間、携帯の液晶画面が見えないようにしていたという。又吉は、「絶対、無理やと思ってるし。選考委員に罵倒されるイメージしかなくて。ホンマに憂鬱で……」と当時の緊張っぷりを明かしながら、「出たら、受賞だった」とニヤリ。しかし、あまりの緊張で、「テレビの密着入ってて。VTRを観たら、(電話を)取るときに僕見てるんです。間違ってるんです。緊張しすぎて」と番号を見てしまったとぶっちゃけた。
当時、現役のお笑い芸人が芥川賞を受賞するという歴史的快挙は、大きな話題に。又吉は、「その日はうれしかったんかな」と話しつつ、「そこからはしんどかった」と苦笑い。当時のマネージャーに、“週1日休み”をお願いしており、「2~3カ月後に週1日休みが作れそう」と約束されていたが、芥川賞受賞で、「あと2年待ってください」と反故にされてしまったそう。「なんで? 頑張った結果、長年の望みを叶えてもらえへんねん(笑)」とぼやきながら、「これを書いた34歳の自分に対しては、頑張ったな、ようやったなと思う」と自ら労っていた。
【編集部MEMO】
又吉直樹は、2020年6月にYouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』を開設。後輩たちを巻き込んだ企画や妄想解釈、作品レビューなどが好評で、チャンネル登録者数は59万人、累計再生数は1億2,000万回を超えている。
