今回のテーマは、“怒られない時代”に芸を磨く若者たちの姿だ。かつては怒号が飛び交っていたという日光さる軍団。しかし、時代の変化とともに、師匠の村崎は「怒るのをやめた」と語る。新人たちは自ら考え、技術を身につけていかなければならない。そんな姿を見つめながら、志田は自身の学生時代を思い返していた。

「同世代の子たちが汗を流しながら、本気でお猿さんと向き合っていく姿を見ていると、私までいっぱいいっぱいになってしまう瞬間がたくさんありました。師匠の方が指導されている姿を見ていても、すごく考えさせられました」 

番組では、「今は部下を怒れない時代だから」という師匠の葛藤も描かれる。令和を生きる若者の一人でもある志田は、「怒られること」について意外な答えを返した。

「私の場合は、母が結構スパルタで(笑)。昔から厳しい家庭環境だったので、“怒られる”環境で育ってきました(笑)」

幼い頃から打ち込んできたフィギュアスケートでも、厳しい指導を受けてきた。

「先生は厳しかったですね。私は特に怒られていたほうだったと思います。でも、それは私が練習していなかったからなので、自分が悪いのですが(笑)」

当時を振り返る口調に、後ろ向きな感情はない。

「先生も、一人一人の性格を見て、『この子は怒っても大丈夫』『この子は精神的につらくなってしまう』というのをちゃんと見極めていたんです。私は多分、みんなからも『ハートが強い』と思われていたので、怒られやすかったのかもしれません」

「怒る」「怒られる」という行為だけを切り取るのではなく、その背景にある相手との信頼関係や成長への思いを考える――。番組が投げかけるテーマは、志田自身が歩んできた経験とも重なっていた。

  • サルと練習に励む竹原さん (C)フジテレビ

    サルと練習に励む竹原さん (C)フジテレビ

「できていないことは自分で考えて補う」

番組の中で、村崎は新人たちに「どんな仕事であろうと意志が必要なんじゃないの?」と語りかける。誰かに与えられるのを待つのではなく、自ら考え、伝えたい相手を思い描くことの大切さを説く言葉だ。

そのメッセージは、俳優として表現の世界に身を置く志田の胸にも響いたという。

「私が演じる上で一番心がけていることは、まず自分自身が楽しむことです。自分が楽しみながらお芝居をしていたら、その気持ちは見てくださる方にも伝わると思うんです。だから、まずは自分が楽しめているかどうかを大事にしています」

とはいえ、楽しむためには努力も欠かせない。フィギュアスケート時代から、「できていないことは自分で考えて補う」という姿勢を大切にしてきた。

「もちろん、人から言われて気づくこともあります。でも基本的には、自分で『できていないな』と思ったことは、自分から取り組むようにしています」

今年の目標として掲げていた「声の仕事」も、今回の『ザ・ノンフィクション』で一つかなえることができた。新しいことに挑戦するときも、素直に学び、自分の表現へとつなげていく。その柔軟な姿勢が、初めてのナレーションにも生かされていた。