今回演じるのは、99回プロポーズしてフラれてきた男。何度失敗しても諦めずに挑戦し続ける役柄だが、自身は「一度失敗したら粘って追わないので、逆かもしれないです。“意味ないからやめよう”ってなるほうです。『M-1(グランプリ)』も3回戦で落ちたら諦めようと思ってました」とのこと。
諦めそうになったり挫折しそうになったりすると、誰かが手を差し伸べてくれる感覚があるという。
「好きだった番組が終わったり、成功すると思ってた番組が急に終わったりすると、うわー!ってなるんですけど、誰かが見てくれてるんですよね。麒麟の川島(明)さんとか佐久間(宣行)さんがYouTubeで“せいや、めっちゃおもろい!”って言ってくれて、そういう一言で“大丈夫や”って思える。諦めかけた時に何かが起こるのが、夢がある世界やなって思います。あかん時ほど腐ったらあかん。テレビに出させてもらってまだ6年くらいなんですけど、周りの人が諦めるのを防いでくれてるんで、本当にありがたいです」
今回の役柄も「何をやっても全然うまくいかないんですけど、周りのみんなが手を差し伸べてくれるんですよね」と共通する部分があるといい、「海援隊さんの『人として』っていう歌に通じるんですけど、人と人とのつながりを描いているドラマだと思います」と実感した。
一方で、一度打ち込んだことには、とことん突き進んでいく性格だ。
「お笑いに関して、“もう十分やな”って満足することはないです。だって怖いですもん。有吉(弘行)さんなんて、『有吉クイズ』でいまだにロケ行ってるんですよ。上の人がずっと貪欲にやってるのを見ると、“順調にいってる”とは思わないですから。だからこのドラマも、仕事が来ただけでは手放しで喜べない。成功してほしいし、“TVerの再生数すごい回ってます”って言われたい。これは尽きないですね」
武田鉄矢の芝居に引き込まれて出た涙
武田鉄矢は幼少期から憧れていた人。自身は1992年生まれで“世代”ではないが、「昭和歌謡が好きでフォークソングも好きで、海援隊さんのアルバムを聴いてハマったんです」と、出会いを明かす。映画『プロゴルファー織部金次郎』を見て、「中1の時、ずっとものまねしてました(笑)」という通なファンだ。
撮影前に前作『101回目のプロポーズ』を見直したが、「武田さんに引っ張られて、“ものまねしてるやん”って言われないように意識したので、全然違う物語になってると思います」と力を込める。
それでも武田と2人でのシーンでは、大先輩の芝居に引き込まれた。「ずっとサシでしゃべるシリアスな場面が何個もあるんですけど、自然と涙が出たりして。武田さんの演技が引っ張ってくれたんです」と、感情を引き出されたという。
そんな武田から「お前、だんだん受けが上手くなったな」と褒められた時は、「めっちゃうれしかったです! セリフを“受ける側”って大事なんやなと思いました」と声を弾ませて回想。
また、楽屋に戻りながら「あの顔良かったな」と言ってくれたことも。武田いわく「自分が先輩にやってもらったことを投影してみた」そうで、せいやを一人の役者として見込み、接していたことがうかがえる。
待ち望んだ一声で名シーンオマージュ
今作では、『101回目のプロポーズ』の代名詞と言える、トラックの前に飛び出して「僕は死にません!」と叫ぶ名シーンのオマージュも登場。自分が演じてみて、「僕、漫才のボケでやってたんですよ。それを、武田さんと同じ景色を見てるのかと思ったら、感動しましたね」と強く印象に残った。
このシーン、実は準備稿にはなかったが、最初の顔合わせで武田が「やろうよ」と提案して追加されたもの。「僕も“やりたいな”と思ってたんですけど、やっぱりあれは武田さんにしか“GO”は出せないですよね」と、待ち望んだ一声に感謝した。
役者として刺激を受けたのは、唐田えりかや伊藤健太郎ら若い俳優陣からも。「本当に引っ張ってくれて、自分の能力以上のものを引き出してもらった感じがありました。唐田さん、伊藤さんも、気づいたら涙を流していて、自分の演技でそんなことできると思ってなかったので、俳優さんってすごいなと思いました」と感服していた。
●せいや
1992年生まれ、大阪府出身。近畿大学在学中、粗品とお笑いコンビ「霜降り明星」を結成。『M-1グランプリ2018』で優勝を果たす。現在のレギュラー番組は、個人として『ラブ!!Jリーグ』(テレビ朝日)、『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)、『ぐるぐるナインティナイン』『X秒後の新世界』(日本テレビ)、『ミラモンGOLD』(フジテレビ)、 コンビとして『霜降り明星のあてみなげ』(静岡朝日テレビ)、『新しいカギ』(フジテレビ)、『天才てれびくん』(NHK Eテレ)、『霜降り明星のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)。YouTube『霜降り明星せいやのイニミニチャンネル』も展開し、著書『人生を変えたコント』は15万部以上のベストセラーとなった。

