長湯温泉(大分県)

ドイツとコラボ、日本一の炭酸泉を飲む

「ラムネ温泉」とはよく名付けたもの。肌にシュワー、プチプチとはじける炭酸泉が長湯温泉の特徴だ。「飲んで効き、長湯して利く長湯のお湯は 心臓胃腸に血の薬」とうたわれたように、飲用・入浴それぞれに効能があり、飲泉文化の先進国であるドイツと協力して、町なかにヨーロッパ風の飲泉所も設けている。ドイツの温泉療法文化が根付かなかった伊香保温泉とは対照的だ。飲泉をうたう温泉が少数派の日本では、異色の存在と言えるだろう。

「御前湯」は、日独温泉文化交流の拠点ともいえる公衆浴場で、ドイツで100年前から使われていた木製の浴槽がある。玄関に飲泉所があるが、館内すべての湯口から温泉を飲むことができる。

御前湯の飲泉場

鉄分が強く、かなり濃縮された味なので一度にたくさんは飲めないが、飲用では、慢性消化器病や糖尿病、痛風、肝臓病などに効果的とされている。浴用では皮膚病や肩こりによいという。湯上がりのあともぽかぽか感が持続するのが特徴で、これは、湯に含まれる炭酸ガスが血管を拡張し、血流をスムーズにするためだ。

(左)ドイツの飲泉療養文化を取り入れた、御前湯外観(上)開放感溢れる、御前湯の大浴場

平成18年5月には、長湯温泉の旅館15件と御前湯が、九州初の「源泉かけ流し宣言」を行っている。自家源泉をもつ施設が多いので、飲泉と湯めぐりを楽しみたい。

長湯温泉療養文化館「御前湯」
大分県竹田市直入町長湯7962-1
TEL:0974-64-1400飲用:可