あつみ温泉(山形県)
飲泉所と名旅館のある素朴な温泉地
秋には鮭が遡上し、春には桜が川べりを彩る。その温海川(あつみがわ)沿いに開けたのが、あつみ温泉。湯煙と川風が混じり合う、静かでのどかな温泉地だ。2カ所の飲泉所や足湯カフェなどが設けられ、浴衣でそぞろ歩きを楽しめる。
飲泉所では熱い湯があふれ、飲むと体がよく温まる。源泉の温度は68度と高め。温海の名の由来も、川底から湧き出した湯が海を温めたことからという。飲用では胃腸の不調や便秘、胆石や尿路結石、金属中毒症にもよいとされるから、デトックス効果の高い湯といってよいだろうか。少し塩味があり、まろやかで飲みやすい。
あつみ温泉飲泉所
山形県鶴岡市湯温海湯之里橋・葉月橋通り
TEL:0235-43-3547(あつみ観光協会)
浴用では切り傷ややけど、皮膚病によくきくという。あつみ温泉で泊まってみたい名旅館が「たちばなや」。皇室三代をお迎えしている由緒ある宿で、日本庭園や多彩なお風呂にやすらげる。大浴場は檜の大きな浴槽から湯があふれ、真ん中にある檜の枕付の背もたれによりかかると、気持ちよくてつい長湯してしまう。石づくりの露天風呂には湯船のそばに池があり、桜の季節には花びらが舞い込むなど、気が利いている。貸し切りの展望露天風呂もあり、昼は山、夜は星空を眺めながら、ゆったりできる。外気で少し冷まされた湯は肌にやさしく、なめらかだ。宿では飲泉はできないが、温泉で温まった後は、川風がいっそう気持ちよく感じられる。
たちばなや
山形県鶴岡市湯温海丁3
TEL:0235-43-2211 飲用:不可