和倉温泉(石川県)
海中から湧き出した、磯の香りの湯
石川の和倉温泉は日本でもっとも有名な温泉のひとつだが、こちらも飲用できる温泉なのをご存知だろうか。
和倉温泉のシンボルとも言えるのが、シラサギがひしゃくをくわえたモニュメントのある飲泉所「涌浦乃湯壺」。シラサギが海で羽を休めていたことが温泉の発見につながったことを記念している。そもそも「和倉」の名は、海に湯が湧く「涌浦」から。およそ1000年前、山の麓に湧いていた温泉が地震によって七尾湾に噴き出したという、珍しい海中温泉なのだ。地下の花崗岩に含まれる水晶をくぐり抜けた、透明な泉質が自慢である。
涌浦乃湯壺(湯元の広場)
石川県七尾市和倉町
TEL:0767-62-1555(和倉温泉観光協会)飲用:可
シラサギの口にはさんであるひしゃくをとり、湯を飲むと、なるほど磯の香りとしょっぱい味。源泉の温度は89度で、飲泉所には温泉卵を作るためのザルが置いてある。飲用の適応は、慢性の消化器病や便秘、気管支炎など。
和倉温泉には、日本一の旅館とうたわれる「加賀屋」をはじめ、大型の高級旅館が多い。一度は泊まってみたい加賀屋は、浴室内のエレベーターで移動する空中露天風呂が圧巻。まさに七尾湾の上に浮かんでいる気分だ。
平成9年には加賀屋姉妹館「あえの風」がリニューアルオープンし、こちらも露天から海の眺望が広がる。両館とも宿内に源泉100%の飲み湯コーナーがあり、「高温、高濃度のため、さかずき一杯からお試しください」とある。透明な輝きをたたえた湯は、大地と海のエキスが濃縮した宝石のようだ。
加賀屋姉妹館 あえの風
石川県七尾市和倉温泉
TEL:0767-62-3333 飲用:可