バレーボール日本代表選手のバラエティ出演が多いのは、「高身長で見栄えがいい」「他の出演者との比較上、映像的に面白い」「他競技よりリカバリーにあてる時間などが短く出演時間を取りやすい」「大卒のインテリ選手も多く、コメント上手なほかクイズ番組などにも対応できる」などの背景がある。

たとえば「学校かくれんぼ」では代表選手たちが静岡県の浜松修学舎中学校・高等学校に行き、学校内に隠れたが、身長の高さや足の長さで生徒たちを驚かせていた。また、「背が高すぎてやっぱり見つかってしまう」というシーンもあったが、「さわやかな印象がある分、笑いのギャップも生み出しやすい」という業界評価もあるという。

一方、日本代表の選手側としてもテレビ出演は格好のアピールチャンス。バレーボールは人気が日本代表での試合に偏りやすく、国内リーグの活性化は長年の課題となっていた。特に男子は日本代表選手の多くが国内リーグ所属であり、テレビ出演は所属チームの集客につながる貴重な機会とみられている。

もともと日本人は欧米などとは異なり、「地元のクラブチームより日本代表が世界の強豪と戦う国別対抗戦のほうが好き」という人が多数派を占めるため、営業・競技強化の両面で1人でも多くファンを増やしたいところ。また、近年は男女ともにメダル争いに絡むようになり、実力的にバラエティ出演の理解を得やすくなったことも彼らにとってはポイントの1つだろう。

ただこれは裏を返せば、「結果が低迷したら『バラエティなんかに出てるからだ』『もっと練習しろ』などの批判が増えて出演が減りかねない」ということ。だからこそ選手たちは大会での結果を追求するのはもちろん、競技普及などの使命感を持ってバラエティに出演している。

有料化には至らない絶妙なバランス

今年はここまで冬季五輪、WBC、サッカーワールドカップと最高峰の国際大会が続き、そのたびに地上波放送の意義が話題になった。

ミラノ・コルティナで行われた冬季五輪も、アメリカ・カナダ・メキシコで行われたサッカーワールドカップも時差があるにもかかわらず、地上波放送によって日本中の人々が熱狂。一方、有料であるNetflixの独占配信になったWBCはライト層を取り込み切れず、局地的な盛り上がりに留まったとみられている。

しかし、これまで地上波放送で最も盛り上がっていたサッカーは放映権料の高騰に悩まされ、ワールドカップアジア予選ですらアウェー戦は「放送なし」が物議を醸したのは記憶に新しいところ。資金力に勝る有料動画配信サービスがスポーツに力を入れはじめ地上波放送が危ぶまれる中、バレーボールにかかる期待は大きくなっている。

ただ、バレーボールも人気が高まるほどサッカーや野球と同じ道をたどりかねないということ。「お金を払ってでも見たい」と思う人が増えるほど有料配信のコンテンツになっていくものだが、はたしてバレーボールはこれからどんな道をたどっていくのか。

もしかしたら「バレーボール日本代表選手がバラエティに出演しているうちは地上波で国際試合を見られる」という現在は、絶妙なバランスなのかもしれない。