16日18時30分(※一部地域除く)から『THE SECOND~漫才トーナメント~2026』グランプリファイナル(フジテレビ系)が生放送される。
同番組は結成16年以上の漫才師によるお笑い賞レースであり、今年で4回目の開催。4月18日の「ノックアウトステージ16→8」を勝ち抜いたファイナリスト8組による生放送のトーナメントで4代目王者が決定する。
『THE SECOND』は『M-1グランプリ』の出場資格を失ったベテランに再びチャンスを与えるお笑い賞レースだが、4回目はどんな大会になり、どんな結果が期待されているのか。ひいては、大会そのものがどんな立ち位置になりつつあるのか。
『M-1グランプリ』スタート以降、全国生放送されるすべてのお笑い賞レースを見続けてきたほか、関係者から見聞きしてきたエピソードを踏まえて、テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
知名度や人気無視のガチンコバトル
今年のファイナリストは、金属バット(結成20年目)、タモンズ(結成21年目)、ザ・パンチ(結成29年目)、黒帯(結成16年目)、シャンプーハット(結成32年目)、ヤング(結成23年目)、リニア(結成18年目)、トット(結成18年目)の8組。
「この大会らしい」と言うべきか、全国放送のゴールデン帯バラエティでレギュラーを務めるようなコンビはいない。強いて言えば、一定の知名度があるのは金属バットとザ・パンチくらいだろうか。
もちろんお笑い好きなら知っている実力者ばかりだが、『M-1グランプリ』で活躍したスーパーマラドーナやちょんまげラーメン、『THE SECOND』ファイナル常連であるマシンガンズや囲碁将棋は敗退し、さらにジャルジャルやトータルテンボスなどは32組にも残れなかった。この「知名度や人気に頼らないガチンコバトル」という方針と透明性は出場者にとっての光であり、運営サイドが称えられるべきところだろう。
しかし、全国的な知名度は低くても芸歴を重ねてきただけあって感情を揺さぶるストーリー性には事欠かない。
「唯一の全4大会ファイナリストである金属バットが悲願の優勝なるか」「解散と再結成の苦難を経たリニアが大会のシンボル的なマシンガンズを倒してファイナル進出」「年間800超の舞台に立ってこの大会に懸けるザ・パンチとトット」「『M-1』の出場資格喪失後、即勝負する黒帯は『300点満点を3回出す』と豪語」など、それぞれに応援を促す背景がある。
なかでも、勝てば盛り上がる可能性が高いのは、ヤングとシャンプーハットの2組ではないか。
求められる「290点超」連発の漫才
高校1年生でのコンビ結成から23年目となるヤングの活動拠点は嶋仲拓巳が店長を務める「ライブ喫茶 亀」。15年前に個人事務所を設立し、吉本興業のお膝元・大阪で地道な活動を続けてきた。無名の彼らが土曜ゴールデン帯の全国生放送で漫才をするだけでエモーショナルだが、もし優勝したら最も盛り上がるコンビかもしれない。ちなみ初戦の相手は「20代前半で芸人になって最初にできた友達」という金属バットであることもポイントの1つだろう。
シャンプーハットは9本のレギュラー番組を持つなど西日本では人気者だが、全国的な賞レースのファイナリストは結成32年目で初めて。『THE SECOND』まで賞レースから20年以上遠ざかっていたというブランクも含め、勝ち進めば関西が盛り上がるほか、同期のブラックマヨネーズ、チュートリアルらの祝福コメントも期待できそうだ。
このように8組それぞれの思いやストーリー性がある一方で、大会全体で期待される展開と結果には、また別のものがある。
『THE SECOND』最大の特徴は審査員が芸人ではなく、お笑い好きの一般人100人であり、しかも他者との比較ではなくそのコンビのみを評価する絶対評価での採点であること。漫才の出来が採点に直結するシステムのため、ベテランの大会としては「“1人3点×100人=300点満点”に近い高得点をどれだけ出せるか」が求められる。
「32→16」「16→8」の戦いでは金属バットとトットが2戦連続で290点超を獲得。さらにザ・パンチ、黒帯、タモンズ、シャンプーハット、ヤングも2戦連続で280点超を獲得するハイレベルな戦いだった。『THE SECOND』は「エントリー数、配信再生、SNSの反響などが右肩上がりで増している」だけにレベルアップという点は期待できるところだろう。
