• 小澤陽子アナ(左)とMC・アリタ哲平=『全力!脱力タイムズ』6月17日の放送より (C)フジテレビ

――『脱力タイムズ』もスタートして7年が経過しましたが、今後の展望はいかがでしょうか?

先ほど言ったように変な形で始まった番組なんですけど、最初の頃の会議で「芸人がちょこまかやってる番組だけど、広瀬すずちゃんがふらっと来れるような番組にしなきゃダメだよ。それが目標だから」って話をしたんですよ。

――と言うのは?

それくらい旬な人が「『脱力タイムズ』に出たい」と言ってくれるような番組にならなきゃと。そんなことを会議で言ったら…スタッフはカチンと来たんでしょうね。そこから2週間くらいして、広瀬すずちゃんをキャスティングしてきたんですよ。「この日に出ることが決まりました。そしてここはスペシャルになります」って言ってきて、僕は心の中で「うわ――!!」って思ったんですけど、ビビってないふりをして「ああ、そうか」と振る舞うんです。

だからもう、これは『脱力タイムズ』のスタッフとの戦いですよね。「さぁ、アンタが言ってきた広瀬すずちゃん、出演してくれることになったぞ。どうする?有田」みたいな感じで会議もピリピリするし(笑)。で、こっちも「こんなことやってくれないかな」っていろいろ案を出したら本番で結構やってくれて。だから僕、その回(16年9月16日放送)は生まれて初めて、収録後に楽屋挨拶しに行ったんですよ。始まる前の「今日よろしくお願いします」っていうのはもちろんありますけど、終わった後に「今日は本当にありがとうございました」って。

――もう完全にスタッフ側のスタンスですね(笑)

そうそう、「あんなことまでやってくれて、スタッフ一同喜んでおります」って(笑)。そこで1個達成感があったんですけど、次は「広瀬すずちゃん良かったな。でも絶対にありえないけど、木村拓哉さんが出るような番組にしなきゃダメだよ」って言ったら、またカチンと来たスタッフが「木村拓哉さん、出てくれることになりました」って。「ウソだよ、一瞬だろ?」って聞いたら「いや、ゲストで出ます」と。それで「俺が考えてる頭の中では木村さんにロケ行ってもらうからね」って言ったら、次の会議で「ロケやってくれるそうです」。で、「『ちょ待てよ』言ってもらうよ?」って言うと、さらに次の会議で「言ってくれるそうです」って(笑)。そこでもスタッフと戦いましたし、木村さんにはもう本当に感謝してますよ。「お疲れさまでした!」って颯爽と帰っていって、今のところ番組歴代最高視聴率(19年1月22日放送、世帯視聴率8.1% ※ビデオリサーチ調べ・関東地区)ですよ。めっちゃカッコよくないですか?

で、しばらくして「長澤まさみさんが来れるような番組にしなきゃダメだ」って言ったら来てくれましたし、藤原紀香さんなんて隠しゲストで来て友近と入れ替わるなんてことまでやってくれましたから。「そんなの事務所が許すわけないでしょ」って言ったら、「交渉してみます」って。もう本当にここのスタッフヤバいんですよ(笑)

だからこれからも、「こんな人に出てもらいたい、こんなことをしてみたい」って僕がわがままを言って、スタッフが「そんなの無理ですよ」と言いながらも次の会議で倍にして返してきて、そうすると僕が「そこまでやってくるんだったらこっちも徹夜で考えるからな!」って、このスパイラルでスタッフと切磋琢磨し続けていくのかなと。この番組が1年目くらいのときに「とにかく10年はやろう」なんて言ったんですけど、あと3年になりましたからね。

――もうライフワークですね(笑)

ライフワークにするつもりはなかったんですけど、ゴルフが終わってクラブハウスに戻ったらそこに『脱力タイムズ』のスタッフがいるっていうこともあるんですよ。「打ち合わせしに来ました」って(笑)。『しゃべくり007』の打ち上げの席で電話かかってきて「ちょっとだけいいですか? 会いたいんですけど」って言うんで、トイレ行くふりしてちょっとだけ会って会議するとか(笑)。この番組に懸けるスタッフの情熱がすごいので、こっちも負けてられないんですよ。だから、自分の人生にもかなり食い込んできちゃって。

――その情熱が画面からも伝わってきます。

そうですか? ありがとうございます。