視聴データを独自に取得・分析するREVISIOは12日、各動画サービス(OTT)のコネクテッドTV(CTV)アプリケーションにおける注視度データを用い、人気コンテンツの視られ方を分析した結果を発表した。

今回の分析対象は、2026年4月から配信が始まったNetflix『九条の大罪』『地獄に堕ちるわよ』、Prime Video『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』の3作品。注視度は、視聴者の視線がコンテンツに向けられていた時間の比率を示す指標で、数値が高いほど、テレビの前の視聴者が画面にくぎづけになっていたことを表す。

  • 『地獄に堕ちるわよ』で細木数子さんを演じた戸田恵梨香

    『地獄に堕ちるわよ』で細木数子さんを演じた戸田恵梨香

高い目的意識を持って視聴されやすいOTTサービス

各作品の個人全体注視度は、『地獄に堕ちるわよ』が59.3%、『九条の大罪』が54.2%、『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』が55.4%となった。

いずれも、各動画サービスの平均注視度であるNetflixの54.0%、Prime Videoの46.6%を上回る結果に。また、地上波同ジャンルの平均注視度であるドラマ47.6%、アニメ39.1%と比較しても高い数値を記録した。

REVISIOでは、その要因として、地上波と違って有料サービスであることや、視聴者が見たいコンテンツを選んで視聴することから、高い目的意識を持って視聴されやすい点を挙げている。さらに、オリジナル・独占配信コンテンツは、そのサービスでしか見られない特別感により、目的意識がより高まる傾向があると分析した。

“一人の女性の壮絶な一代記”としての見応え

属性別のデータでは、作品ごとに高い注視を獲得した層が異なる結果となった。

Netflix『地獄に堕ちるわよ』は、F3(女性50歳以上)の注視度が最も高かった。同作は、「大殺界」「地獄に堕ちるわよ!」などの強烈な言葉で一世を風靡した占い師・細木数子さんの素顔を描いた作品。細木さんがテレビで活躍していた2000年代の時代背景をよく知る層からの支持が高かったと見られる。

また、“一人の女性の壮絶な一代記”としての見応えも、同じ時代やその地続きの社会を生きてきたシニア女性の心に響いた可能性があるという。

『九条の大罪』は松村北斗・町田啓太ファンも影響か

Netflix『九条の大罪』は、『闇金ウシジマくん』などで知られる漫画家・真鍋昌平氏の作品を原作とし、泥臭いアングラな世界観を特徴とする作品。一見すると男性支持が高まりそうな題材ながら、F1(女性20~34歳)の注視が高まった。

REVISIOでは、SNS世代であるF1層にとって身近な現代社会の歪みを描いていることが理由の一つと分析。また、松村北斗(SixTONES)や町田啓太といった女性人気の高い若手俳優を起用したことも影響していると見ている。

『北斗の拳』は往年のファンが高注視

Prime Video『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』では、M3(男性50歳以上)の注視度が最も高かった。

『北斗の拳』は、1980年代に『週刊少年ジャンプ』で連載され、テレビアニメ化もされた人気作品。現在も世代を問わず根強いファンを持つが、今回の分析では、連載当時に少年時代を過ごした男性50歳以上の層が最も注視していたことが明らかになった。

同作では、過去のアニメ版からキャストを一新し、最新の映像技術を駆使しながら、原作の魅力を忠実に再現することにもこだわっている。REVISIOでは、往年のファンの期待を裏切らないクオリティが、M3層に刺さった要因と分析している。

OTTコンテンツの“質の高い視聴”を可視化

今回の調査では、OTTオリジナル・独占配信コンテンツが、特定のセグメントで質の高い視聴を獲得している実態が示された。

従来、地上波テレビの視聴データとデジタルメディアのインプレッションなどの指標は計測基準が異なるため、横断的な比較・分析が難しいとされてきた。REVISIOでは、地上波とCTVを「注視度」という共通尺度で評価することで、この課題を解消できるとしている。

調査期間は2026年4月1日から5月24日。対象プラットフォームはNetflix、Amazon Prime Video。地上波比較対象は、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビの民放地上波キー5局平均となっている。