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    長澤まさみ(左)と第1話ゲストの江口洋介 (C)フジテレビ

主役級の役を続けてきた女優のオーラ

――レギュラーが、長澤まさみさん、東出昌大さん、小日向文世さんの3人になった理由は何ですか?

毎回ゲストが出てくる話なので、レギュラーはできるだけ少なくしようと考えて、最初は2人だけで、必要に応じて準レギュラー的な人が何人かいたらいいかなと思ってたんですけど、なかなか準レギュラーという方式は難しくて…。俳優さん的には、スケジュールを抑えるなら抑えてくれっていうことになりますからね(笑)。それで、じゃあ3人かなとなりました。

――その3人のキャスティングが決まった時点で、台本を書いていたんですか?

最初は全く決まっていない状況で書いていたんですが、長澤さんだけわりと早い段階で決まったので、ご本人の影響も受けながらキャラクターを作っていきましたね。あと、リチャードというキャラクターは、小日向さんが演じることが決まってから、崩れていきました(笑)。小日向さんだと、どうしても面白いことをやらせたくなってしまって。

――長澤さん演じるダー子も、ハニートラップが下手だったり、食べ合わせが変だったりと、面白いキャラクターです。

ハニートラップが下手というのは、本当にきれいな人がそうなるから笑える設定なので、盛り込んでみました。

――長澤さんの魅力はどんなところだと思いますか?

まだ若いけど、いろんなものを背負ってやってこられたと思うので、やっぱり長澤さんじゃないと出せないものってとてもあると思うんですよね。ほとんど主役級の役しかやってきてないと思うので、そういう人だけが持ってるオーラってあるんですよ。長澤さんってまさにそういう人で、若い世代の俳優の中では一番そうした要素を持ってる人じゃないかなと思いますね。今回が初めてお仕事させていただいたんですけど、企画のプロットを作ったときに、主演を長澤さんにお願いしようと思ってると言われて、ついに来たか!という感じはしました。

――東出さんや小日向さんの魅力はいかがでしょうか。

東出さんのボクちゃんは、長澤さん扮するダー子にいつもからかわれている役なんですけど、成河さんは、東出さんが『リーガルハイ』のスペシャルに出ていただいたときに、楽屋で生瀬勝久さんや小池栄子さんにいつもからかわれていて、それに対して真面目に一生懸命対応しようとしている姿がとってもチャーミングなので、「ボクちゃん」にぴったりだと言ってました。小日向さんは何の心配もない人(笑)。リチャードは、最初のうちはわりとダンディでカッコよく書いてたんですけど、もう小日向さんに決まってからは、だんだん小日向さんのこういうところが見たいって感じてキャラクターが崩れてきちゃいました(笑)。でも、そのおかげでとても魅力的になったと思います。

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    (左から)東出昌大、長澤まさみ、小日向文世 (C)フジテレビ

非常識な話と非常識なお金のかけ方ができたら

――メインの登場人物の名前が「ダー子」「ボクちゃん」「リチャード」、それにキャラクターの背景もあまり描かれていないのは、かなり割り切った点だと思いました。

何が本当で何がウソか分からないというドラマにしたかったんですよね。詐欺師の主人公たちの生い立ちなどを明らかにして、悲しい過去があったんじゃないかと思われたりすると、ジメッとしてしまうと思うんです。もう、そういうのはいいんじゃないかなって、面倒くさくなっちゃって(笑)

――タイトルも『JP』が付くのは気になります。

これを付けたのは、1つは画数が良くなるからなんです。『コンフィデンスマンJP』で24画。僕は結構縁起を担ぐほうで、いつも意識してるんです(笑)。もう1つの理由は、韓国版と中国版も同時に作られるので。韓国版のタイトルは『コンフィデンスマンKR』、中国版は『コンフィデンスマンCN』になってます。

――ドラマの制作が発表された時に「連ドラのスケールを超えた」とコメントされていて、とてもワクワクしました。

やっぱり最近、こじんまりしたドラマが多いなという印象を受けていたので、「この人たち、バカなんじゃないか!?」って思われるような非常識な話と非常識なお金のかけ方ができたらいいなと思ってたんです。見ている人が「最近、こういうの見たことなかったな」ってテンションが上がるようなドラマにしたかったんですけど、めちゃくちゃなスケジュールで撮っているらしいので、現場のスタッフやキャストの人たちには感謝しかないです(笑)

――大きなスケールで行こうというのは、フジテレビからオーダーがあったのですか?

特に言われたわけじゃないんですけど、このテーマをやるっていうことはそういうことですねと同意してもらったと思って、容赦なく書いてます(笑)

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    長澤まさみ (C)フジテレビ

「月9」は特に意識しない

――なにかと注目される「月9」という枠について、なにか意識はされていますか?

ん~、視聴者に「月9」のイメージってあるんですかねぇ? どうもメディアの人たちだけが言っているような気がしていて…。僕も「月9」をたくさん見てきたというタイプではないので、特に意識することはないですね。ただ、9時なので、あんまり大人っぽい難しい話にしすぎないで、子供も見れるといいなというのは少し意識しました。あとは、月曜日なので、1週間頑張ろうって元気になれるようなものがいいかなとは思います。

――成河さんや、この連載にも登場された『デート』の武内英樹監督が、口をそろえて古沢さんのことを「天才」と評されていますが、いかがですか?

そんなことないですよ(笑)。いつも悩みながら、助けてもらいながら書いてます。

――武内さんは『デート』最終話の打ち合わせを水道橋のデニーズでしていて、悩みに悩んでアイデアがひらめいたときの姿は、『ガリレオ』の福山雅治さんのようだったとおっしゃっていました(笑)

あの日はもう考えつかないといけないデッドラインで、かなり追い込まれていたんですよ。それで狭いデニーズの中をウロウロしながら考えてたんです(笑)