元国税局職員 さんきゅう倉田です。おすすめの副業は「イラストレーター」です。

確定申告の季節がやってきました。2月18日(月)から本格的にスタートしますが、それまでに申告することも可能です。申告期限は3月15日までなのでそれまでに申告しましょう。申告期限を過ぎても申告はできますが、延滞税や加算税の対象となる場合があります。

還付の申告をされる方は、罰則はありません。

どちらの場合も、5年分遡って申告できます。今回は、2018年、17年、16年、15年、14年分までの申告です。去年、税金が還付になるはずだったんだけど、面倒でやらなかったなあという方は、今年まとめて申告してはいかがでしょうか。もちろん、今年の分がなくとも問題ありませんし、遡及できる5年分のうち、必要な年分だけを申告することができます。

どうやって申告するのか

申告方法は年々便利になっています。昔は、税務署にひたすら並ぶか郵送で出すかの2択でした。

e-Taxが始まり、インターネットを使って申告できるようになると、機材が揃えば自宅から郵送無しで申告することができるようになり、税務署でも紙ではなくパソコンを使って申告書の作成を行うようになり、今年は“スマホで申告”を謳って、スマホ用のユーザーインターフェースが公開されました。 どの方法でも申告できますが、次の方法がおすすめです。

①一人で確定申告書の作成ができる人
家のパソコンで申告書を作成してプリンタかセブンイレブンで印刷して管轄の税務署へ郵送する

②一人では不安な人&できない人
書類を持って税務署に行く

③新しいものが好きな人
スマホで申告する

確定申告にあたって必要なものは

確定申告の内容によって必要な書類は異なります。会社員、パート・アルバイトの方で基本的に必要なものは以下の通りです。

・源泉徴収票(本業以外にあればそれも)

・支払調書(あなたが給与のつもりでもらっていても、報酬の形で支払われていれば、こちらを発行されています)

・控除証明書(年金や生命保険、地震保険などいろいろ。なくても申告できますが、ある方があなたの税金が少なくなります)

・医療費の領収証の金額をまとめたもの(1年分の領収証を税務署に持っていって、電卓で計算するのはやめましょう。今年は“医療費控除の明細書”という紙を書くだけで大丈夫です。計算は自宅でしておきましょう)

・ふるさと納税の証明書

・住宅ローンに関する書類(始めて住宅ローン控除を受けるときは必要です。2年目からは、あなたの勤め先がやってくれます)

・株式の年間取引報告書(特定口座で源泉徴収されている場合は、概ね確定申告不要ですが、損失を繰り越したり、損益通算をしたりするなら必要です。よく分からなければ、念の為持っていきましょう)

・これら以外に控除や収入があれば、それらが分かるもの(迷ったら、整理して持っていきましょう。封筒に入れたままとか、書いてある文章を読まずに税務署に行くのはお控えください。)

会社員、パート・アルバイトはどんば場合に確定申告をする必要があるか

よくあるのは以下の場合です。

・副業をしている
・2ヶ所以上で働いた
・医療費控除をうける
・ふるさと納税を6ヶ所以上やった
・住宅ローン控除を初めて受ける
・雑損控除を受ける
・年末に結婚した
・源泉徴収票にミスがあった
・ギャンブルで年間50万超の利益があった
・不動産投資をしている
・ツチノコを見つけて100万円をもらった

メルカリなどのフリマアプリで日用品を売って利益が出ても、基本的には税金はかからないので申告は不要です。逆に損失が出ても控除できません。ビジネスとして、メルカリを利用しているのであれば、基本的には申告の必要があります。

税務署で申告する場合でも自宅で限界まで調べて、準備して、スムーズに申告できるようにしましょう。みんなで、並ばない税務署を。

さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。ツイッターは こちら