元国税職員さんきゅう倉田です。好きな 商品は「棚卸商品」です。
芸人をしていると、SNSで知らない人からメッセージが届きます。ぼくの場合は、
「うちの光回線をお客様へ提案してくれませんか」
「冷凍食品を差し上げるので紹介してくれませんか」
「うちのサイトに掲載されている不動産を提案していただければ、成功報酬を20%支払います」
といった内容です。
彼らに共通するのは、そのSNSでこちらをフォローしておらず、メッセージの冒頭にこちらの名前がないことです。みんなにコピペで送っているわけです。それでは、タレントの心は動かない。それに、ぼくには光回線や不動産を紹介する相手などいません。
メッセージを送る人間について、何も調べていないことが容易にわかります。そのような迂闊な人間が持ってきたビジネスに乗っかる人間は少ない。フォロワーが多くて社会的影響力の大きい人なら尚更です。
自社商品を紹介して欲しいのなら、一件ずつを大切にするべきだと思います。
ぼくは、担当者の名前は覚えませんが、会社名は脳内の「行儀の悪い会社一覧」のところに挟みました。タレントによっては、SNSで公開したり、仲間と共有したりするかもしれません。なおざりなメッセージは、所属する会社のブランド価値を低下させてしまいます。
商品を紹介する場合のタレントの対応
また、芸人の仲間には下記のような連絡が来るようです。
「下着を差し上げるので、紹介してくれませんか」
「プロテインを差し上げるので紹介してくれませんか」
「無料で脱毛をするので紹介してくれませんか」
ぼくに提案される商品より汎用性があります。一部の芸人は商品を受け取って、実際に紹介していますが、もちろん事務所は許可していません。
法律による規制はされていませんが、依頼を受けて紹介をした場合は、事務所内のルールで
#PR
#モニター
などと添えることになっています。
それ以前から、どこかの誰かが勝手に作った団体が、商品やサービスを紹介する際のルールを勝手に作って、なんとなくみんながそれに従っています。私的な団体が恣意的に作ったルールには従う必要はありませんが、所属事務所が設定したルールは別です。所属する以上、従わなければなりません。
しかし、若手芸人の一部は、無料でサービスを受けても、無料であることを隠して宣伝しています。これは良くない。
例えば、「◯◯で脱毛してもらいました。痛みもなくて最高でした。おすすめ」と紹介したタレントがいたとします。
無料だったら、そりゃ最高でしょう。無料なんだから。でも、1回10万円だったらどうですか。脱毛は1回では終わらないし、10万円は相場よりもはるかに高い。少しも最高ではありません。無料であることを隠して「最高である」と宣伝することは、嘘をついていることと同じです。
信じて店に行く消費者のことを考えていない軽率な行動だと思います。だから、広告であることが誘導や紹介の方法でわからない場合は、タグなどで示すべきです。
全身脱毛に行った芸人
少し毛深い芸人のところに、全身脱毛のモニター依頼が届いたそうです。ただし、無料になるのは1回だけです。10回通わないとツルツルにならないので、1回行ってもあまり意味がありません。向こうは、SNSで紹介させれた上に、入会をさせるつもりなのかもしれません。
さて、全身脱毛なので、VIOも綺麗にします。このとき、同時にふたりの女性が施術をしてくれたそうです。しかし、施術の途中でなぜか別の女性たちに担当が変わったそうです。
有名なタレントと飲食店に行くと、テーブルを担当する店員がタレントの顔見たさに入れ替わり立ち替わりやってくることがあります。思うに、今回も、芸人のおしりを見るために入れ替わり立ち替わり店員さんがやってきたのではないでしょうか。
そもそも無料モニターには反対
良いと思ったものをSNSで紹介するのは良いと思います。ぼくも、出向いたレストランをInstagramで紹介しています。
ただ、商品を無料でもらって、SNSで紹介するのは、自分を安売りしていると感じます。もし、その商品に瑕疵があった場合はどうするのでしょうか。紹介したタレントも責任を追及されるかもしれません。そうのようなリスクを考慮せずに、タダに釣られて紹介するのは軽率な行動です。
タレントとしての気概を持って、商品紹介は仕事と認識し、広告料を請求してほしいと思います。
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