電車に乗るために改札を通るとき、多くの方がSuicaやICOCAなどの電子マネーをかざします。気づけば、切符を購入する人のほうが少数派となりました。またスーパーやコンビニ、自動販売機などで代金を支払う際も、電子マネーを利用する人は少なくありません。

総務省統計局の調査によると、調査の対象となった10,000世帯のうち電子マネーを持っている世帯員がいる割合は、64.9%と過半数を占めています。※出典:総務省統計局「2020年家計状況商品調査」

本記事では、キャッシュレス決済の中でも特に身近な存在である電子マネーの特徴やメリット、デメリットについて解説していきます。

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■電子マネーとは?

電子マネーとは、決済を電子データで行うサービスです。JR東日本が発行する「Suica」や、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが運営する「nanaco」などがあります。

電子マネーは、会員登録や身分の確認をするだけで簡単に利用が可能です。クレジットカードのように、審査を受ける必要はありません。

電子マネーで決済をすると、ポイントが貯まる点も特徴的です。例えば、楽天Edyを利用すると「楽天ポイント」が、Suicaで決済をすると「JREポイント」が貯まります。※事前にJREポイントの登録が必要

普及当初の電子マネーは、カードを端末にかざして決済するのが一般的でした。それが近年では、Android端末に搭載された「Google Pay」や、iPhoneの「Apple Pay」など、スマホ決済サービスへの登録が可能となったため、電子マネーの利便性が向上しています。

▼「プリペイド型」と「ポストペイ型」の2種類

プリペイド型とは、現金やクレジットカードなどで事前にチャージをする必要がある前払い型の電子マネーです。「Suica」「nanaco」「WAON」「楽天Edy」などは、プリペイド型の電子マネーに分類されます。

一方でポストペイ型は、後払い方式の電子マネーです。「ID」や「QUICPay」などがポストペイ型の電子マネーに該当します。ポストペイ型の電子マネーで支払うと、決済金額が、登録していたクレジットカードを経由して、後日銀行口座から引き落とされます。