大阪人が教えるホンマにええ店(11) 船場の天ぷら店のTTKGでパワーチャージ!

緊急事態宣言が解除され自粛が緩和されたものの、まだまだ気を緩めてはいられない状態が続いている。とはいえ、ビジネスマンは仕事が命。しっかり働くためにはしっかりとランチを食べて、午後からの活力を養ってほしいもの。大阪、本町界隈にはおいしいランチが目白押しで、出張に来てランチに迷ったら、ぜひオススメしたいのが「お気軽天ぷら処天神」だ。

玉子天ぷら定食～7品～(1人前税込1,000円)

ランチでも揚げたての天ぷらが食べられる

「お気楽天ぷら処天神」は、大阪屈指のオフィス街である船場エリアにあり、昼どきになるとランチを求めるビジネスマンやOLで行列ができるほど。博多出身のオーナーが、博多の天神で出される天ぷらを提供したいとオープンしたお店で、揚げたてを順に出してくれるスタイルが人気を呼んでいる。昼は定食中心、夜は一品ものも充実しており、仕事終わりに一杯飲みなながらおいしい天ぷらが食べられる。

月替わりの厳選食材のイラストを描いた、タペストリーが掲げられている

豊富な定食が900円からリーズナブルに揃う

店内はカウンター7席と2名テーブルが2つというこじんまりとした作り。入ったらスタッフがしっかりとアルコールで手を消毒してくれるなど、コロナ対策もばっちりだ。定食は天ぷら6品が付いた、天神天ぷら定食～6品～(1人前税込900円)をはじめ、月替わりの厳選食材が食べられる月替わり天ぷら定食(1人前税込1,100円)などさまざまだが、ぜひ食べていただきたいのが、玉子天ぷら定食～7品～(1人前税込1,000円)だ。

カウンターは7席。黒板にはおすすめメニューも

早速、筆者も玉子天ぷら定食～7品～を実食してみた。カウンターでは調理スタッフがひっきりなしに天ぷらを揚げており、油のバチバチとした音が心地よい。手際よく天ぷらを揚げている様子を見ていると、ご飯と赤だし、天つゆがやってくる。初めて行った方なら、「え? これだけ? もしかして、ばか者には見えない天ぷらなのか? 」と裸の王様状態になってしまうかもしれないが、後から揚げたてが順番にやってくるのでご安心を。それまでの間に、テーブルに置かれている食べ放題の大根の漬物を皿に盛り付けスタンバイOK。ちなみに、ご飯は白ご飯か麦ご飯のどちらかが選べる。

ご飯は白ご飯か麦ご飯が選べ、お代わり自由

さっぱりと食べられる大根の漬物

コースのように揚げた順に天ぷらが登場

テーブルの準備も心の準備もできたら、天ぷら鍋から出されたばかり、まだ油がバチバチと音を立てているような揚げたての天ぷらが並べられる。まずはエビ、ナス、佐賀ふもと赤鶏の3種。どれも薄めの衣を100%のこめ油で揚げているため、サクッと軽い食感が特徴だ。エビはサクッと音がしたかと思うと、プリッと弾けるような食感がやってくる。尻尾もカリッと揚げられているので、余すことなく食べられる。続いてのナスは大きくカットされており、一口噛むとじゅわりと汁気が押し寄せる。そして、佐賀ふもと赤鶏を一口。最初こそ弾力を感じるものの、その後はふわり。鶏の食感を“ふわり”と例える自らの語彙力の無さにも辟易するが、“ふわり”としか例えようがないほど柔らかい。

左からエビ、ナス、佐賀ふもと赤鶏

天ぷらの合間にご飯を口に入れ、赤だしをすする。そして大根の漬物を食べると口の中の油がさっと引き、また天ぷらが食べたくなる。この無限とも思えるループでテンポよく3種の天ぷらを食べ終えると、計ったように明太子、カボチャ、キスの3種がやってきた。カウンター中心の店だけにスタッフの目が行き届き、客のペースを見ながら揚げてくれているのがありがたい。明太子は言わずもがな。無限にご飯が食べられるんじゃなかろうかという塩加減。カボチャもホクホク、キスもサクサクと6品を食べ終えたところで、最後の一品、玉子の天ぷらがやってきた。

左から、明太子、カボチャ、キス

玉子の天ぷらといえば、ゆで卵の天ぷらを想像しがちだが、こちらは生卵の天ぷら。サクッとした衣の中から半熟状の黄身がとろ～り。これをご飯に乗せて、玉子かけご飯にして食べる。しかし、ちょっと待って! 勢いよく食べてしまったため、ご飯がない……。と思ったら「ご飯おかわりどうですか? 無料ですよ」と神のような声が。もちろん躊躇することなくおかわりを頼み、玉子の天ぷらを乗せて醤油をたらり。天ぷら玉子かけご飯、そう"TTKG"※の完成だ。通常の玉子かけご飯のようなちゅるっとした喉越しこそないものの、とろりとした黄身とご飯に天ぷらのサクサクとした食感が加わることで、普通の玉子かけご飯とはまた違ったおいしさが楽しめる。そのおいしさに、一心不乱に食べ終えてしまった。※お店ではそう呼んでないのでご注意ください。