「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第82回のテーマは「居心地のよい家は自由度が高い」です。

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我が家はお盆時期の夏休みと、お正月の年2回、パートナーであるノダDの実家に帰省をしています。

詳しくは、去年の連載第25回「我が家の実家帰省事情」にもありますが、毎年すみません。とても快適なんです……。

SNSでは、年末になると帰省がいかに気が重いかという話題が盛り上が中、のびのび過ごさせて頂いております。そして今回は7日間! 今までの中でもかなり長い滞在になりました。

義実家は前も描きましたが「泊まった人の自由にさせてくれる家」なのです。

まず、義実家は盆暮れに出入りする人数が、我が実家よりもだいぶ多いです。野田家はうちの子も含めて孫が9人! うちの子が一番下ですが、一番上とは22歳差です。成人済みのいとこも多いです。そこに、さらにオジ・オバがいるので、全員集まると本当に人が多くなります。

ちなみに、義実家にお泊まりするのは基本我が家だけとなります。その他のみなさんは基本は「近距離」。しかし、孫達はいとこ同士が仲がよく、お休みのときはお泊まりすることもあります。というわけで、誰がいつ泊まっても平気な感じのおうちになっています。

逆に私の実家は首都圏郊外にあり、子ども&孫は片道1時間くらい、基本的に日帰りの距離に暮らしています。なので、お泊まりもほぼありません。私が行くときは、子連れで4時間くらい滞在して帰ります。

比べてみると、かなり「実家の滞在」におけるタイプの違いがハッキリします。そして、家は用途に沿って成り立っているのだなあと思いました。

以前は実家に集まることもありましたが、最近は長姉の家に年に一度集まって新年会をしています(前回のコラムでも書きましたが、持ち寄りパーティで……その準備を私は炊事係の夫に一任しています)。なので、誰もどこにも「お泊まり」しません。

我が実家は、両親以外の人が「泊まる」ということがないので、キッチンもお風呂場もかなり「プライベートゾーン」になっています。住人以外の出入りがあるのはリビングルームのみ、という感じなのです。

こういう家で「家事を手伝う」のはとてもハードルが高いです。リビング以外の場所の全てが「使っている人」の縄張りとなっていて、手出ししにくいのです。我が家の場合はキッチンなら、母の極めて「属人的」なプライベートゾーンだと感じられます。

かたや、義実家は「複数人数が泊まれる家」として構築されています。幼児ではない、ハイティーンから大人になった孫達が泊まることが前提になっていて、ちょっとした合宿所やシェアハウスくらいのオープンさがあります。

どこからコップやお皿を取っていいかがわかりやすく、自分で取って使えて、同時に洗って返すことができるようになっている。

そして、一番すごいなと思ったのは、人の出入りが多いときは……全館冷房or暖房なんです……!! さすがに外出しているときは消してますが、家に人がいるときは全ての部屋のエアコンがフル稼働していて、ドアが開いててもOK……みたいな! そしてどこにいても暑くない、寒くない、みたいたな感じなんです……。す、すごい。

我が実家はリビング以外は人がいることを前提としていないので、暖房も冷房もしていない。そうすると、場所は自動的に固定されちゃいます。別に、我が実家が人を縛っているわけではないですが、義実家のように「たくさんの人が自由に出入りする」ことを設定してるほうが自由度が大きく、長時間滞在においては快適なんだなあと思いました。

この「自由度」と、誰もが使えるオープンさというのは、義実家や実家だけではなくて「家事シェア」をするのにとても大事なポイントなのでは? と思いました。

キッチンが属人的になり、それを取り仕切る人のプライベートスペース化……つまり、縄張りとなると、家事を他の家族もやるハードルが上がってしまうということです。

我が家は炊事はパートナーの担当ですが、最初に同居したときキッチンは私が設定して、掃除をしていました。なので、私のルールで配置されていました。ところが、引っ越しのときに「オレが配置してもいい?」と言われて、パートナーの使いやすい配置になりました。そのとたん、パートナーは私が使った後に色々文句を細かく言うようになりました。

色々話し合った結果、私が使う場所についてある程度ルール設定を共有し、最終的には「他人が使ってもイライラしないように、許容する」とパートナーが受け入れました。ただし、共有範囲は少なめで、キッチンはパートナーの縄張り感は強めです。我が家は家事を担当制で「炊事はパートナー」「掃除洗濯はさるころ」みたいに分けているのでそうなってもいいのですが、同じ家事を共同でする場合は義実家のように、属人的でなくオープンな構成にすることが大事なのではないかと思いました。

我が家も息子がもう少し大きくなって家事をするようにしようと思ったら、誰でも使えるオープンさにチェンジしていかないといけないのかも。ということに気が付いた義実家帰省でした。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。