「2026年サンリオキャラクター大賞」で、ハッピリーナフレンズ部門の3冠に輝いたチンチラのキャラクター「ちょこちら」。ふわふわの毛並みとぷにぷにのほっぺがチャームポイントで、イチゴを食べすぎて耳としっぽがピンク色になってしまった愛らしいキャラクターです。
ちょこちらが生まれたのは、サンリオの新キャラクタープロジェクト「Happilinafriends(ハッピリーナフレンズ)」。第1回となる2026年は、「キミの好き、おしえて!」をキャッチコピーに、小学校低学年の子どもたちをメインターゲットとして展開されました。社内デザイナーによるコンペと最終選考を経て選ばれた個性豊かな10キャラクターが、2026年サンリオキャラクター⼤賞のハッピリーナフレンズ部門に初エントリー。そのなかでちょこちらは3つの賞で1位に選ばれ、注目を集めました。
なぜ、モチーフにチンチラを選んだのか。そして、子どもたちの心をつかんだ「ちょこちら」は、どのようにして生まれたのか。担当デザイナーであるデザイナー・みどりさんに、キャラクター誕生の背景と、子どもたちに届けたい思いを聞きました。
「令和のキッズ」にも届いた普遍的な“憧れ”
――みどりさんは、サンリオでこれまでどんなお仕事をされてきたのですか?
芸術系の大学を卒業し、サンリオに入社しました。現在はサンリオオリジナル商品のデザインなどに携わっています。これまでも新キャラクターのコンペなどに参加したことはありますが、「ちょこちら」が私にとって初めて採用されたキャラクターになります。
――「ちょこちら」は、どのようなところから発想されたキャラクターなのでしょうか。
今回のプロジェクトは、7~9歳くらいの子どもたちを主な対象としていました。「令和のキッズ」ということで、今の子どもたちに身近な動画やゲームなどを取り入れることも考えました。
ただ、考えていくうちに、自分が子どものころに抱いていた気持ちを思い出したんです。私は昔から動物が好きで、犬も飼っていたこともあるのですが、ウサギやハムスターのような、小さくて手のひらに乗る動物にも憧れがありました。
私が小さい頃憧れたように、今の子どもたちにも、いつもそばにいてかわいがってもらえるような存在を届けられたらと思ったことから、「手のひらにちょこんと乗る」キャラクターにしたいという思いが、ちょこちらの始まりです。
――子どもたちに向けたキャラクターを考えるうえで、最後まで大切にされていたことは何ですか。
流行を知ることは大切ですが、それだけではないと思っています。小動物をかわいがりたい、ペットを飼ってみたいという気持ちは、時代が変わっても自然に生まれるものではないでしょうか。
新しい時代の子どもたちに届けるからこそ、そういう変わらない憧れに寄り添えるキャラクターにしたいと思いました。
きっかけは動物園で出会った「ふわふわのチンチラ」
――モチーフにチンチラを選んだ理由を教えてください。
以前、動物園でチンチラを見たときに、一目で「かわいい」と思いました。私が見た子はケージの隅で寝ていたのですが、寝顔とふわふわの毛並みがとても印象に残っていたんです。
小さくて、思わず大事にしたくなるような姿が、子どものころに感じていた小動物への憧れとも重なって、チンチラをキャラクターにしたいと思いました。
――デザインを進めるなかで、実際にチンチラと触れ合われたそうですね。
はい。チンチラと触れ合える場所に行き、膝に乗せてもらったり、触らせてもらったりしました。本当にふわふわで、ぬいぐるみになったら絶対にこの感触を表現したいと思いました。
スタッフの方から、チンチラは頭をなでられると喜ぶと教えていただいたので、ちょこちらのプロフィールにも「頭をなでられるとうれしい」という一面を加えています。実際に触れ合ったことで、見た目だけではなく、生態なども少しずつ見えてきました。
――耳としっぽのピンク色、そしてイチゴ好きという個性も印象的です。
白いチンチラをイメージしてデザインしていたのですが、配色を考えながら耳としっぽをピンクにしてみたら、イチゴミルクのような色合いになりました。そこから、「イチゴを食べすぎて耳としっぽがピンクになった」という個性を思いついたんです。「ミカンを食べ過ぎたら手が黄色くなる」みたいな感じです(笑)
ただかわいいだけじゃなく、そういった背景や性格に興味を持って、もっと知りたいなと思ってもらえるよう考えました。
デザインから個性が生まれて、個性がまたキャラクターの魅力を広げてくれました。
「かわいい」だけでなく、「描いてみたい」と思えるキャラクターに
――「ちょこちら」という名前には、どのような思いが込められているのでしょうか?
「手のひらにちょこんと乗るチンチラ」というイメージからです。子どもたちにも覚えてもらいやすい、わかりやすい響きにしたいと思っていました。
ロゴも、子どもたちが読みやすいようにひらがなにしています。
――たしかに、「ハッピリーナフレンズ」にはアルファベットやカタカナ表記のキャラクターも多いなかで、「ちょこちら」というひらがなのロゴは目を引きますよね。デザイン面では、どのようなことを意識されましたか?
かわいいと思ってもらうことに加えて、子どもたちが「自分でも描いてみたい」と思えるキャラクターにしたいと考えました。
仕事を通して子ども達と交流したときに、「どうしたらかわいいキャラクターを描けますか」と聞かれたり、「まねして描きたい」と言ってもらえたりすることがあります。そうした声もあって、ちょこちらは、ぱっと見て形が分かりやすく、描きやすいデザインを目指しました。
――手描きのような、やわらかい線も特徴ですね。
ふわふわした毛並みや温かさを出したくて、輪郭には手描きらしさが残るブラシを使っています。整いすぎた線ではなく、少しやわらかな線にすることで、親しみやすい雰囲気になるようにしました。
目も、きれいに整えすぎず、手描きのような印象を残しています。見て楽しむだけでなく、子どもたちが自由に描いたり、色を塗ったりできる存在になればうれしいです。
もっと知りたいから、もっと好きになってほしい
――社内コンペでは、どのような過程でちょこちらを提案されたのでしょうか。
コンペには、ちょこちらを含めて2案を出しました。もう一方は以前から温めていたキャラクターで、実はそちらの方が時間をかけたんです。
正直に言うと、最初はもう一方の案のほうが自信がありました。ちょこちらは締め切りが近づくなかで生まれたのですが、チンチラに決めてからは、不思議なくらいすっと形になっていった感覚があります。
――もうひとつのキャラクターもいつか見てみたいです! ちょこちらが選ばれたときは、どのようなお気持ちでしたか?
驚きましたが、「Happilinafriends」の10キャラクターの一員に選んでいただけたことは、すごくうれしかったです。
その後、SNSでもちょこちらを見つけて応援してくださる方の声をいただくようになりました。実際にチンチラを飼っている方から反応をいただけたこともうれしかったですね。
――みどりさんが考える、長く愛されるキャラクターとはどのような存在ですか?
最初は見た目のかわいさから好きになってもらって、世界観や性格を知るうちに、もっと愛着を持ってもらえるキャラクターだと思います。
ファンの方から、キャラクターを自分の思い出と重ねているというお話を聞くことがあるのですが、「自分に少し似ているかもしれない」と感じて親近感を持ってもらえることもあると思います。受け取る人それぞれの中で、少しずつ大切な存在になっていけたらうれしいです。
――最後に、今後ちょこちらがどのような存在になってほしいか教えてください。
見た人が笑顔になったり、元気をもらえたりするような存在になれたらうれしいですね。
もし今後グッズが出せることになって、ぬいぐるみなどができたら、手のひらにちょこんと乗せて、ペットのように身近に感じていただいて、自由にかわいがってもらえたらと思います。
(c) 2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ





