「いい人」をやめられない。嫌われたくなくて本音が言えない。SNSを見て嫉妬してしまう自分がイヤ――そんなモヤモヤした気持ちをノートに書き出し、自分の本音と向き合う「デトックス・ジャーナリング」が注目されています。
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』(日本文芸社)から、一部を再編集してお届けします。
SNSが脳疲労の原因に
入力過多や過度な効率性の追求は、自分の内側の声を聞き逃したり、心の回復の時間を失わせたりするだけではありません。確実にあなたの脳を疲れさせる原因となっているのです。
SNSを開き、画面をスクロールして、流れてくる友人の近況、芸能人のゴシップ、可愛い動物の動画を目で追いかける……多くの人はこの行為を休憩や気晴らしだと捉えているでしょう。しかし、脳科学の視点から見ると、これは休憩どころか、脳に「情報の処理」という過酷な労働を強いている状態に他なりません。
また、「検索」という行為をひとつとっても、脳を夢中にさせるさまざまな仕組みがあり、「もっと、もっと」と刺激を求めることで、いつのまにかスマホ依存を招いてしまいます。スマホ依存の正体はドーパミン刺激なのです。
SNSが脳を疲れさせる3つの理由
1. 流れてくるすべての情報への反応
画面をスクロールするたびに新しい情報が現れるため、私たちの脳は、その一つひとつに対して瞬時に反応し、無意識のうちに判断を下し続けています。この絶え間ない判断の連続が、脳のエネルギーを急速に枯渇させていきます。
2. 感情の乱高下による消耗
SNSには、悲惨な事故のニュースから、友人の結婚報告、購買意欲をそそる広告、誰かの怒りに満ちた投稿……と次々に情報が現れます。これらの情報に、ジェットコースターのように激しく感情を揺さぶられ続けると、脳は「情報酔い」の状態になります。
3. 他者の反応への過剰な意識
「いいね!」の数、コメント、既読がついたかどうか。SNSを利用している間、私たちの意識のアンテナは常に「他人からどう見られているか」という外側に向けて全開になっています。自分の投稿に反応があるかを気にする心理状態は、脳にとって「監視されている」「相手の評価を待っている」ときと同じような緊張状態をつくり出し、常に体を戦闘モード(過緊張状態)に保つことになります。
このような理由から現代人の脳はキャパオーバーを起こしています。脳が疲労すると、思考力や判断力や記憶力が低下するだけでなく、感情のコントロールが効かなくなり、イライラしやすくなったり、わけもなく不安になったりします。
何より恐ろしいのは、脳が外からの情報処理だけで手一杯になってしまうこと。刺激依存による過緊張状態が続くことで、脳と心と体のエネルギーを使い果たし、生きるためのエネルギーが枯渇してしまうのです。
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』(日本文芸社)
著者:長沼睦雄(十勝むつみのクリニック院長)
精神科医として多くの悩みに向き合ってきた著者が、「いい人をやめられない」「SNSで他人と比べてしまう」「理由もなく疲れてしまう」といった現代人の生きづらさを解説。話題の「ジャーナリング」を通じて、自分の本音を見つけ、心のモヤモヤを手放す方法を紹介します。
怒りや不安との付き合い方、自分軸の育て方、生成AIを活用した新しいジャーナリング術まで収録。毎日を少しラクにしたい人におすすめの一冊です。

