「いい人」をやめられない。嫌われたくなくて本音が言えない。SNSを見て嫉妬してしまう自分がイヤ――そんなモヤモヤした気持ちをノートに書き出し、自分の本音と向き合う「デトックス・ジャーナリング」が注目されています。
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』(日本文芸社)から、一部を再編集してお届けします。
自分と他人の境界線の引き方
私たちの人間関係の悩みやストレスの多くは、自分と他人との間の心理的な境界線(バウンダリー)に起因しています。
感情や責任、価値観などの心理的な境界線とは、「ここまでは自分の領域」「ここからは相手の領域」と、明確に区別するための「枠」です。この境界線が健全に働いていると、たとえ自分軸が弱くても自分の自己防衛の働きを保ちながら、他者とも良好な関係を築くことができます。
しかし、この境界線がボロボロだったり、カチカチだったりすると、さまざまな問題が生じます。
境界線がボロボロな人の特徴
●自分と他人の区別がつきにくく、他人の問題や感情を自分のもののように思い込み、背負い込む
●人から頼みごとをされると「ノー」と言えず、自分のキャパシティを超えて引き受けすぎて疲弊する
●相手の機嫌を損ねることを極端に恐れ、常に他人の顔色をうかがい、自分の本音を抑圧する
●相手の問題を自分のことのように感じ、頼まれていないことまで過剰に世話を焼いてしまう
境界線がカチカチな人の特徴
●他人を過度に遠ざけ、壁をつくる
●他人からの助けや好意を素直に受け取れない
●「自分のことはすべて自分でやるべきだ」と、頑なに心を閉ざし、他者を信頼することができない
●弱みを見せることを極端に恐れ、どんなに困っていても「助けて」と言えない
このように境界線が健全に働いていない状態は、人間関係にさまざまな影響を与えてしまうのです。
自分と他人の間に健全な境界線を引こう
健全な境界線を保つために重要なのは、まず自分の感情と感覚に気づくことです。「モヤモヤする」「イライラする」「ザワザワする」といった不快感は、境界線が侵害されているというアラーム。それに気づき、常識や世間体よりも、自分の内側の感情や感覚を優先することから始めます。
次に大切なのは、それを相手に伝えることです。相手を指さして「あなたは……」と非難したり、攻撃したりするのではなく、自分を指さして「私は……」と自分の状態や気持ちを正直に伝えます。
健全な境界線を持つことは、自分の本音を自覚することであり、相手の課題に踏み込まず、自分の課題にも踏み込ませないという「課題の分離」を実践することなのです。
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』(日本文芸社)
著者:長沼睦雄(十勝むつみのクリニック院長)
精神科医として多くの悩みに向き合ってきた著者が、「いい人をやめられない」「SNSで他人と比べてしまう」「理由もなく疲れてしまう」といった現代人の生きづらさを解説。話題の「ジャーナリング」を通じて、自分の本音を見つけ、心のモヤモヤを手放す方法を紹介します。
怒りや不安との付き合い方、自分軸の育て方、生成AIを活用した新しいジャーナリング術まで収録。毎日を少しラクにしたい人におすすめの一冊です。

