福間香奈女流王座に伊藤沙恵女流四段が挑戦するリコー杯第16期女流王座戦五番勝負(主催:株式会社リコー・日本将棋連盟、特別協力:日本経済新聞社)は10月30日(金)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開幕しました。初戦は得意の居飛車穴熊を用いて戦った伊藤女流四段が106手で勝利。終盤の競り合いで抜け出して奪取に向け好スタートを切っています。
連戦連勝の挑戦者
磯谷祐維女流二段、西山朋佳女流四冠と強敵を連破し挑戦権を獲得した伊藤女流四段。2021年の女流名人以来5年ぶりのタイトル獲得を目指す戦いとなった本シリーズは、福間流の三間飛車をいかに打ち破るかという戦いで幕を開けました。2筋の歩を突いて居飛車穴熊を目指したのがその対策。この歩を取らせる間に囲いを完成させるという最先端の戦いです。
福間女流王座の継ぎ歩をきっかけに本格的な戦いがスタート。続いて玉側の端歩に手をつけたのが現代振り飛車らしい軽快な仕掛けで、形勢は難解ながらひと足先に穴熊を崩して振り飛車ペースとなりました。とはいえ粘り強い受けで知られる伊藤女流四段も決め手は与えず応対。福間女流王座が飛車を成り込んだ局面がターニングポイントとなりました。
二転三転の終盤
伊藤女流四段が攻防の自陣角で応戦したとき、竜を見捨てて小駒だけの攻めに踏み込んだのは福間女流王座の好判断。失いかけていた流れを取り戻したように思われましたが、直後にミスが出てしまいました。角での王手に対してサッと玉を引いたのは持ち駒の金を温存する意図ながら結果的に敗着に。ここは強く金打ちの合駒で手番を握る必要がありました。
二転三転した終盤を制したのは伊藤女流四段でした。飛車取りに構わず詰めろの連続で迫ったのは自玉の安全を読みきっての対応で、ついに先手玉が一手一手の寄り形となって大勢が決しました。終局時刻は17時49分、福間女流王座が投了して伊藤女流四段の白星発進が決まりました。注目の第2局は11月10日(火)に神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で行われます。
水留啓(将棋情報局)
