藤井聡太竜王に服部慎一郎七段が挑戦する第39期竜王戦七番勝負(主催:読売新聞・日本将棋連盟、特別協賛:野村ホールディングス)は、藤井竜王先勝で迎えた第2局が10月22日(木)・23日(金)に静岡県三島市の「三嶋大社」で行われました。角換わり腰掛け銀対右玉の力戦形に進んだ対局は藤井竜王が132手で勝利。2連勝として防衛に前進しています。
序盤は挑戦者ペース
開幕戦は相掛かりから挑戦者の力戦策を封じていわゆる「藤井曲線」を描いた藤井竜王。後手番で迎えた本局は角換わり右玉の力戦策を披露しました。この戦型は近年定跡化が進められているとはいえ相腰掛け銀に比べると未開拓の部分が多く、そのことは本格的な戦いの前に両対局者が計3時間ずつを消費せざるを得なかったことからも伝わってきます。
封じ手時刻が近づいてきた夕方に局面が動き始めます。穴熊の堅陣にプレッシャーをかけるようにして端歩を突き捨てたのが藤井竜王の決断。とはいえ「手が間に合っておらず粘りにいくような対応」だったという局後の感想からすると、ここは服部七段が直前に見せた下段飛車での7筋攻めという遠大な構想が藤井竜王の焦りを誘う好手だったことになります。
「一歩千金」で勝負あり
封じ手が開かれ対局再開。2日目に入ると藤井竜王は巧みな指し回しで玉の引っ越しを成功させます。先手からの攻めに絶えず気を配りながら7筋から4筋への大移動ができたのは大きく、このあと盤上中央に引きつけた攻防の馬が大局を制することに。水面下の攻防でことごとく藤井竜王の読みに跳ね返された服部七段は77手目の端歩突きを後悔しました。
丁寧な受けでペースを握った藤井竜王、今度は手筋を駆使したリズミカルな攻めで優位を拡大します。攻めていたところで一転して歩を補充したのは先述の服部七段の端歩突きをとがめる好手。まさに一歩千金の格言通りで攻めが切れなくなりました。終局時刻は18時34分、この勢いのまま藤井竜王の穴熊崩しが炸裂したところで服部七段の投了となりました。
勝った藤井竜王は開幕2連勝で防衛に前進。服部七段が踏みとどまれるか、注目の第3局は11月3日(火)・4日(水)に京都府京都市の「仁和寺」で行われます。
水留啓(将棋情報局)
