ナインティナインの矢部浩之が長年抱いていた思いが、ついに実現することになった。2014年に一度は卒業し、2020年に復帰した『ナインティナインのオールナイトニッポン』を10月末で再び離れ、12月から単独ラジオ番組をスタートさせる。一方、相方の岡村隆史は、矢部の卒業を受けて自身も番組を去る可能性を考えていたという。8日深夜に放送されたニッポン放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木曜25:00~27:00)で、2人がそれぞれの決断に至るまでの経緯と、今後の活動について明かした。

  • ナインティナイン(左から矢部浩之、岡村隆史)

    ナインティナイン(左から矢部浩之、岡村隆史)

2014年の卒業、2020年の復帰を経て再び決断

「ここで番組から、そして私、矢部浩之からのお知らせがございます」

番組の途中、矢部が切り出したのは、リスナーにとって大きな節目となる発表だった。

「歌謡祭前にね、なんか水を差すような形にはなってほしくないんですけども」と前置きしたうえで、「前向きなお話なんで、聞いていただきたい」と説明。10月29日の放送をもって『ナインティナインのオールナイトニッポン』を卒業することを明らかにした。

矢部にとって、同番組からの卒業は今回が2度目となる。

岡村が「リスナーも2回目、矢部さんも2回目の卒業になってしまうので、もしかしたらそんなにびっくりもしてないかもわからないんですけども」と話すと、矢部は「2回卒業はもう前代未聞です」と自らツッコミを入れた。

今回の決断について矢部は、最初に番組を卒業した2014年当時と理由は変わっていないと説明する。

「2014年に、まだこのナインティナインのオールナイトニッポンっていうのは、まあまあ、その前にいろいろありましたけど、岡村さんのお休みとかありましたけども、やりきったなあという。私個人の中で、もうゴールしたなという感覚があったんですね」

長年続けてきたコンビでのラジオに、当時すでに一つの区切りを感じていたという。

2014年の卒業時には、ニッポン放送に多くの関係者が集まり、矢部を見送ったことも話題に。岡村は、その様子が「宝塚みたいやった」と振り返り、矢部を乗せた車を人々が見送っていた光景を懐かしんだ。

矢部自身は、当時は再び番組に戻ってくることなど考えていなかったという。しかし、2020年に状況が大きく変わった。

岡村をめぐる出来事を受け、矢部は約6年ぶりに番組へ出演。当初は一時的な出演という形だったが、その後、コンビでの放送が復活することになった。

岡村は当時を振り返り、「あの時は私も、もうどうなることやらということで」と率直に吐露。「矢部氏が戻ってきて、なんとかこう、立て直すと言いますか。そういうことができましたんでね。感謝でしかないんですけれども」と、相方への感謝を口にした。

矢部浩之が明かした長年の思い「一人でラジオやりたいな」

そんな矢部が、今回の発表で最も伝えたかったのは、以前から抱いていたラジオへの思いだった。

「ここからがちょっと肝の部分なんですけども」と切り出すと、2014年に卒業した理由について、「ラジオが嫌でとかじゃなくて」と強調。そのうえで、「一人でラジオやりたいなみたいな、ざっくりとしたそんな気持ちがどっかにあって」と打ち明けた。

さらに「機会あったら、一人でラジオやってみたいな」と考えていたことも明かすと、岡村は「ちょっと軽くショックですけどね」と反応。苦笑した矢部は、長年2人でラジオを続けてきたことを踏まえながら、自身が単独番組に魅力を感じるようになったきっかけを説明し始めた。

それは、岡村が体調不良で活動を休止していた2010年の出来事だった。

当時、矢部は岡村に代わって一人で番組を担当。周囲からは、相方の不在中に番組を守り続けたことをねぎらう言葉を掛けられたという。

しかし、矢部の中には、周囲が想像していたものとは少し違う感覚が残っていた。

「これね、意外と楽しかったんですよ」

そう振り返った矢部は、岡村が戻ってくることを信じていたからこそ、突然始まった一人での放送にも新鮮さを感じられたと説明した。

「最初どうなるかなと思ったけど、意外と結果、岡村さんは戻ってくるの早かったし、あれが楽しかったんやなってなって」

それまでコンビで続けてきた番組を一人で担当するという経験は、矢部にとって新たな発見だったようだ。

一方、岡村は当時、療養中だったため、矢部が一人で担当していた放送について「全く知らない」と告白。「この時間、ラジオやってんねやろなと思いながら」と、当時の自身の状況を振り返った。

矢部は、一人で放送していた時期について、リスナーが変わらず毎週聴いてくれていたことへの感謝も口にした。

当時はサッカー日本代表のザッケローニ監督にちなんだコーナーなどもあり、自分一人で話すことに新鮮さを感じていたという。

ただ、単独番組をやりたいという思いがあっても、すぐに実現できるものではない。2020年にはコンビでの番組に復帰し、その後も矢部は岡村とともにマイクの前に座り続けてきた。

それでも、2014年の卒業時に抱いていた気持ちが消えることはなかった。

12月から単独番組スタート「岡村さんの理解もありながら」

そして今回、その長年の思いが実現することになった。

矢部は「やっぱりその、でも卒業の理由はやっぱりずっと変わらずにはあってですね」と改めて説明。

「今回このタイミングでですね、ニッポン放送のスタッフ皆さんの協力のもと、あと吉本のマネージャー陣と、岡村さんの理解もありながら、一人で新しい番組を始めさせていただくことになりました」

番組スタッフや所属事務所、そして相方の理解を得て、新たな挑戦が決まったことを報告した。

この発表に、岡村も以前から気になることがあったと明かす。

木曜日になると、矢部がマネージャーとともに別室へ入っていく様子を目にしていたといい、「なんやろうなと思って」と振り返った。

矢部が周囲のスタッフと何を話しているのか気になっていたという岡村に対し、矢部は「他の仕事の話もしてるよ(笑)」とツッコミ。岡村も「みんな大人に囲まれてしゃべってんのなんやろなと思ってたら」と、当時の疑問が今回の発表につながったことを明かした。

矢部は改めて、「ナインティナインのオールナイトニッポンは卒業させていただいて、新しく一人の番組をこの冬、12月にスタートさせていただきます」と報告した。番組のタイトルや詳しい内容については、この日の放送では明らかにされなかった。

岡村が「その新番組ってどんなんですか?」と尋ねても、矢部は「教えません」と即答。「まだ始まってもないのに、探られても」と返すなど、発表後も2人らしい掛け合いが続いた。

岡村隆史も自身の卒業を覚悟「もしかしたら私も…」

矢部が新たな道へ進む一方、岡村にも番組の今後をめぐって思うところがあった。

矢部の単独番組が決まったことを受け、岡村は「こういうことになったということで、もしかしたら私も卒業ということになるのかなと思っておりましたら」と、コンビでの番組終了に伴い、自身も卒業する可能性を考えていたことを明かした。

しかし、ニッポン放送からは、岡村が再び一人で番組を担当するという提案があったという。岡村は「ニッポン放送さんがありがたいことに、また岡村さん一人でっていうことで」と感謝を述べ、11月から単独でオールナイトニッポンを続けることを報告した。

矢部が一度卒業した2014年から2020年までは、岡村が一人で番組を担当していた。そのため、今回の新体制は約6年ぶりの単独放送となる。

岡村は、矢部の新番組に向けた打ち合わせを目にしていたことに触れながら、自分にも同じような“コソコソ”打ち合わせがあったことも冗談交じりに回想。結果として2人ともニッポン放送でラジオを続けることが決まり、岡村は「お互いがラジオ、ニッポン放送でやらせていただくということになった」と説明した。

矢部は、新番組の放送時間を尋ねられても「まだ教えません」と詳細を明かさず、「最終的にはちゃんとリリースします」と説明。そのうえで、リスナーに向けて「もうひとつ聞くラジオが増えたと思っていただけたら、もう非常にありがたいなと思ってます」と呼びかけた。

また、今回の卒業については「何も揉めてそうなったわけじゃない。円満です」と強調。岡村も、それぞれの番組で互いの悪口を言わないようにしようと提案し、これに矢部も「悪口言わへん」と即答した。

『ナインティナインのオールナイトニッポン』としての最後の放送は10月29日。11月5日からは岡村が単独で番組を担当し、12月には矢部の新番組がスタートする。

2014年に一度は別々の道を歩み、2020年に再び2人でマイクの前に座ったナインティナイン。今回もコンビとしての活動は続けながら、それぞれが新たなラジオ番組に挑む。矢部が長年抱いてきた思いを実現し、岡村も6年ぶりに単独ANNへ復帰するという、2人にとって新たな節目となる。

【編集部MEMO】
『ナインティナインのオールナイトニッポン』は、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史と矢部浩之がパーソナリティーを務めるニッポン放送のラジオ番組。矢部は2014年に一度卒業し、2020年に復帰。2026年10月29日の放送をもって再び卒業する。11月5日からは岡村が単独でオールナイトニッポンを担当し、矢部は12月から新たな単独ラジオ番組をスタートさせる予定。