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寺西が演じる澄晴は、一人のキャラクターの中で、いくつもの顔を演じる必要がある難役だ。

「難しい役を寺西さんに渡してしまったなと、すごく思いました(笑)。でも、寺西さんの舞台や配信ドラマを拝見していたので、経験値はすごくあるとおもって、きっとやり切ってくれるという信頼があったんです」

その上で、寺西本人から感じた「不思議な魅力」が、澄晴というキャラクターの方向性を決めることになった。

「すごく柔らかい雰囲気で落ち着いているけど、内に秘めている芯の強さがある人だと思ったので、“この人にどういうことやらせたら面白いだろう?”と思いました。“爽やかなお兄さん”ももちろん見たいですが、逆にすごく悪い役や影のある役も見てみたいと思ったので、“だったら全部詰めできるキャラクターにしよう!”と、澄晴ができました」

澄晴は、1話から3話では何かを抱えながら“騙す芝居”をしなければならず、4話以降はそこから解放され、本当の姿が少しずつ見えてくる。一人のキャラクターの中で、いくつもの顔を演じる必要がある難役だ。

1話から3話では何かを抱えながら“騙す芝居”をしなければならず、4話以降はそこから解放され、本当の姿が少しずつ見えてくる澄晴。それでも、「対応力が素晴らしかったです」と期待に応えてくれた。

特に佐々木蔵之介演じる父親との芝居では、澄晴が抱えていたものが少しずつ表に出てくるのが分かり、「どんどん澄晴になっていくな」と感じたそうだ。

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「女の友情はすごく儚い」優子が豹変していく理由

物語を彩るほかのキャラクターたちにも、それぞれに三竿Pならではの視点が込められている。なかでも坂井真紀演じる優子は、葵と澄晴の関係をかき乱す存在として、回を追うごとにその印象を変えている。

その背景には、三竿P自身が感じてきた“女の友情”への興味があったという。

「私は女の友情というものが、すごく儚いものだと思っているんです。『わたしの宝物』の時も、みんな絶対どこかに嫉妬が入っていたりして。でも不思議なのが、嫉妬があったとしても次の日には普通に元に戻っていたりする。女性特有なのかもしれないですが、その不思議さをずっと感じてる部分があったので、今回の優子もどんどん豹変していったら面白いのではないかと思って作りました」

嫉妬や羨望を抱えながらも関係を続けていく…女性同士の友情の不思議さ。そんな三竿P自身の実感が、優子の予測不能な変化にもつながっているようだ。

椎名林檎に求めた「思いをまっすぐぶつける歌」

本作の世界観を印象づけているのが、椎名林檎の主題歌「裸」だ。書き下ろしとなったこの楽曲について、三竿Pから椎名への最初の依頼は、思いをストレートにぶつける曲だったという。

「『ここでキスして。』のような、思いをまっすぐぶつける歌が聴きたいと思って椎名さんに依頼させていただきました。脚本をお送りして、“大人のラブストーリーだけど、大人が一生懸命恋をするところを描きたいドラマです”と、等身大の恋愛であることもお話しさせていただきました」

そんな作品への思いを、椎名林檎が自分なりに咀嚼して生み出したのが「裸」だった。

「最初に聴いた時は、メロディーも素敵だけど、私が伝えた思いを“こう解釈してくださるんだ!”と、びっくりしました。だけど、それがとても不思議で面白いんです」