主要20作がそろった2026年夏ドラマ。今回も業界唯一のドラマ解説者・木村隆志が、主要新作の初回放送をウォッチし、俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(「令和のNo.1ヒット作」「プロデュース全体の質が高い」2026年夏ドラマのオススメTOP5作は? ドラマ解説者が20作の傾向を“視聴率無視”で徹底分析)において2026年夏ドラマの主な傾向を【[1]“2大続編”がそろい踏みの背景 [2]自由で思い切りのいい在阪局の3作】の2つと解説。

おすすめドラマとして、『VIVANT』(TBS系 日曜21時)、『さよならノワール』(フジ系 火曜21時)、『マイ・フィクション』(ABC・テレ朝系 日曜22時15分)、『Tシャツが乾くまで』(TBS系 金曜22時)、『Tokyo middle 30』(フジ系 水曜22時)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む主要20作のレビューと目安の採点(3点満点)を挙げていく。

『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』 月曜21時~ フジ系

出演者:GACKT、志田未来、神尾楓珠ほか
寸評:「嘘を武器にするダークヒーロー」で「いきなり業務停止を食らう」という展開に弁護士ドラマとしての意外性はない。“建築士との二刀流”という設定を採り入れた以上、それを生かした脚本をどう練り上げるかが最終的な評価を分けそう。GACKTを主演に起用したのなら「チーム戦のボス」より「孤高のカリスマ」のほうがフィットしたように見える。とはいえ、芸達者な助演たちの活躍は楽しい。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • GACKT

    GACKT

『GTO』 月曜22時~ カンテレ・フジ系

出演者:反町隆史、生見愛瑠、松嶋菜々子ほか
寸評:長い時を経て教師と生徒は成長したのか、しないのか。「人と時代の変化を見せる」という難しい挑戦となる作品。鬼塚の魅力は変わらない一方で、会社みたいな学校、タブレット、コスパ、ハラスメント、検索、生成AI、あだ名禁止など、令和の捉え方がステレオタイプに見えるのが気がかり。「15~17歳限定のオーディション」で選ばれた生徒役は素晴らしく、近未来のスター俳優たちを見るのは楽しい。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

  • 反町隆史

    反町隆史

『夫を殺したはずなのに』 月曜23時6分~ テレ東

出演者:内田理央、渡邊圭祐、箭内夢菜ほか
寸評:テレ東の『夫を殺す』シリーズにタイムリープというファンタジーをプラス。しかも「妻が夫を殺しても過去に戻されてしまう」という地獄のようなシーンが繰り返される。「愛人との不倫行為をアダルト配信サイトで生配信する」という夫の憎さがパワーアップしていることも含め、突き抜けたプロデュースは清々しいレベル。愛人役の箭内は新境地を開いた感があり、今後のオファーにつながりそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 内田理央

    内田理央

『クロスロード~救命救急の約束~』 火曜21時~ テレ朝系

出演者:今田美桜、磯村勇斗、寛一郎ほか
寸評:主人公の正義感と使命感は「若い層にもこういうタイプのヒーローはいる。いてほしい」というメッセージにも見える。良くも悪くもポイントは救命医、救急隊員、警察官の個人による連帯に留まっていること。救命のダイナミズムは組織の連携あってこそであり、忙しい3人が集まるなどのリアリティ欠如も含め、没入しづらいところがある。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 今田美桜

    今田美桜

『さよならノワール』 火曜21時~ フジ系

出演者:小池栄子、北香那、岡山天音ほか
寸評:犯罪被害者支援室という舞台設定は、広報の『東京P.D.』に続く当枠では2作目。事件解決ではなくひたすら被害者に寄り添う主人公は新鮮で、令和の新たなヒロイン像に見える。バディの関係性も、各話のエピソードとゲスト俳優の選択もバランスがよく、全般にわたってプロデュースが機能。決めゼリフの「しばらくそばにいていいですか」に加えて「見えない血を止めるのが私たちの仕事」などの名言も多い。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

  • 小池栄子

    小池栄子

『君の好きは無敵』 火曜22時~ TBS系

出演者:松本若菜、佐野勇斗、本郷奏多ほか
寸評:キャラクタービジネスは時流に合う舞台であり、IPビジネスを扱う作品として業界内での注目度は高かった。しかし、業界というより個人の争いに見えてしまうなど、その楽しさや奥深さが見えてこない。サンリオの既存キャラをフィーチャーしつつ新たなキャラを絡めて盛り上げるなどの展開を見せたいところ。松本と佐野のキャスティングは華があるだけに、そこに頼る演出にも不安を感じさせられる。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • 松本若菜

    松本若菜