『Tシャツが乾くまで』 金曜22時~ TBS系
出演者:蒼井優、中島歩、松山ケンイチほか
寸評:最大の注目は生方美久の脚本であり、初めてフジから出てTBSでのドラマとなるが、繊細なセリフ劇は健在。さらに金曜ドラマらしいミステリーを絡めるそつのなさを見せている。ただ、好きな人はとことん語りたくなるが、会話過多なドラマが苦手な人は受け付けないという感は否めない。さらにコインランドリーでの長話、すぐに家を教えて中に入れるなどの展開に違和感を抱く人もいる。「不倫か否か」にそれほどの吸引力はない一方で、蒼井と中島の演技に引き込まれるだけに、2人の距離感を描くだけでも1クール引っ張れそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】
『名探偵のままでいて』 金曜23時15分~ テレ朝系
出演者:吉川愛、綱啓永、奥田瑛二ほか
寸評:「ミステリーマニアの孫娘と認知症の祖父がバディ」という深夜帯らしい遊び心ある安楽椅子ミステリー。ただ、祖父をいたわる孫のシーンに象徴される温かい世界観は高齢者にこそ見てほしいところもある。お香をたくと名探偵になる祖父の推理が冴えすぎるところは気になるが、だからこそ別れが描かれるであろう終盤は感動を呼びそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆☆】
『告白 -25年目の秘密-』 土曜21時~ 日テレ系
出演者:松村北斗、岡崎紗絵、玉山鉄二ほか
寸評:ストーカーのラブストーリーは現実世界に起きそうなギリギリのラインで視聴者を置き去りにしない。怖さだけでなく純粋さもきっちり描くなど嫌悪感は薄く、恋の成就を応援できそうなムードもあるだけに、殺人事件を絡めてホラーに寄せるのはどうなのか。もう少し甘いシーンを入れて落差を生み出していいかもしれない。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『夏色の雲が恋と嵐をまきおこす』 土曜23時~ テレ朝系
出演者:深田竜生、浮所飛貴、田辺桃子ほか
寸評:STARTOのデビュー前アイドル2人にBLを演じさせるという配信向きの作品。すべてがほのぼのムードで狙いは女性の癒しにほかならない。どこか昭和時代の19時台に放送されていたアイドルのホームドラマを思い起こさせる。サモエドのロックに癒される視聴者は多そう。
【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】
『VIVANT』 日曜21時~ TBS系
出演者:堺雅人、阿部寛、松坂桃李ほか
寸評:「連ドラ史上初」「令和では異例」という挑戦が随所に見られ、視聴率も配信再生も得ているのだから、脚本・演出の是非を語ることすらナンセンスかもしれない。キャスティング、海外ロケ、2クール放送などさまざまな点でスケールアップが見られ、他の作品が学ぶところは多そう。堺や阿部の演技もギアを1つ上げた感があり、新キャストの話題性も高い。業界全体で見ても『VIVANT』の成否は重要だろう。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】
『マイ・フィクション』 日曜22時15分~ ABC・テレ朝系
出演者:玉森裕太、森川葵、宮澤エマほか
寸評:記憶をめぐる謎の連鎖と解明のバランスがよく、飽きさせずに没入させ続ける脚本が絶妙。ABC制作の同枠は前期の『エラー』に続くオリジナルの力作で、翌朝の仕事が気になる日曜22時台はこれくらい振り切ったほうが相性はよさそう。出るだけで不穏なムードを醸し出す宮澤に加えて、レインボーのジャンボたかおが物語を加速させた。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】
『一次元の挿し木』 日曜22時30分~ 読売テレビ・日テレ系
出演者:山田涼介、白石聖、堀田真由ほか
寸評:原作小説のクオリティもあって、遺伝子などの難しいモチーフを扱っているにもかかわらず物語の安定感は十分。読売テレビ制作らしいダークな世界観だけに見る人を選ぶが、1クール最後まで楽しめそうな構成力を感じさせられる。主人公とダブルヒロインをめぐる関係性に引き込まれる上に、土居志央梨と和田正人の刑事側、小手伸也と猪塚健太の雑誌側のキャスティングも機能。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】






