名古屋鉄道は3日、広見線の新可児~御嵩間(7.4km)に関して、輸送人員の減少により維持存続が困難であるとして、2029年4月1日の廃止を決定したと発表した。
新可児~御嵩間の沿線市町(岐阜県御嵩町・可児市・八百津町)が「みなし上下分離方式による鉄道存続協議」を終了する旨を公表したことを受け、名鉄は6月25日の取締役会で新可児~御嵩間の廃止を決定。8月3日、沿線市町と2028年度末までの運営に関する協定書を締結した。8月4日に国土交通大臣へ廃止届出書を提出するため、手続きを進めるとしている。
1920年に広見~御嵩間(現在の新可児~御嵩口間)で開業し、地域の発展に貢献してきたが、道路網の整備に伴うモータリゼーションの加速と少子化・人口減少の進行で輸送人員の減少が続いた。2007年、名鉄は沿線市町に対し、これ以上の維持存続が困難である旨を申し入れた。
2010年以降、さまざまな活性化策を実施するも利用者は減少し続け、コロナ禍による新常態も定着したことで、今後の輸送需要はコロナ禍前まで戻らない見込みとされ、収支改善も見込めない状況に。加えて、設備の老朽化に伴う抜本的な更新投資が必要な状況であるため、2023年に名鉄から沿線市町に対し、現行の方式による運行継続は困難である旨を伝えた。その後は持続可能な地域公共交通のあり方について、協議を行ってきたという。
沿線市町は、自治体が線路等の施設における維持管理費と修繕費を負担する「みなし上下分離方式による鉄道存続の方針」を持ち、鉄道存続の協議を続けてきたが、事業費の負担や災害時の復旧費用など総合的に判断し、5月末に協議の終了を発表。名鉄としても、これまでの経緯を通して、一民間事業者の自助努力だけで路線を存続させていくことはきわめて困難と判断したため、新可児~御嵩間を廃止し、撤退することになったと説明している。
