テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、19日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第28話「急げ!秀吉」の視聴分析をまとめた。
「これは、わしらの家宝じゃ…」
最も注目されたのは20時39~40分で、注目度77.3%。小一郎(仲野太賀)と秀吉(池松壮亮)が、信長(小栗旬)から賜った草履を胸に光秀(要潤)の討伐を誓うシーンだ。
小一郎は待ち合わせの場所である摂津・尼崎城で秀吉を待っていた。表情は硬く、口は真一文字に結ばれている。「小一郎! 何じゃお前は出迎えもせずにこんなところで!」背後から秀吉が声を掛ける。髪は乱れ、着物も肌も泥にまみれ、備中から駆け戻ってきた道中の激しさを物語っていた。「これだけ早く戻れたのはお前が用意した道々の兵糧のおかげじゃ。上様は見つかったか!?」秀吉は早口でまくしたてる。織田信長の行方が気になって仕方ないのだ。
「すまん」小一郎は背を向けたまま一筋の涙を流した。「すまん」「何じゃ、お前は。さっきからすまんしか言うとらんじゃないか!」秀吉は謝罪を繰り返す小一郎にしびれを切らしたが、小一郎の泣き顔を見た瞬間、言葉を失った。「何じゃ、それは。泣くでない。それではまるで上様が真に死んでしもうたみたいではないか!」動揺する秀吉。「わしは、兄者を欺いたのじゃ。少しでも早く戻らせようと…わしは兄者を」「やめよと言うておろうが!」秀吉ははずみで小一郎を殴った。上様が死ぬはずはないと、小一郎の胸ぐらをつかんで詰め寄る。
しかし小一郎は秀吉を投げ飛ばし、涙を流して叫んだ。「兄者の方こそ目を覚ませ! 上様は死んだんじゃ! もう、どこにもおらんのじゃ!」ぶつかり合う2人に誰かの声が響いた。「もうおやめくだされ!」声の主は小一郎の嫡男・与一郎(大西利空)だった。「与一郎、お主なぜここに」「私も父上にお供するため、はせ参じました」これを、と言って与一郎は持参した風呂敷包みをほどき、中に収められた品を2人に差し出す。「母上からお持ちするようにと頼まれました。お寧々様(浜辺美波)からも」それを見た小一郎、秀吉の目には再び涙があふれた。それはかつて桶狭間の戦いの恩賞で信長から授かった草履だった。
「草履は片方だけでは何の役にも立たん。互いに大事にせい」信長の言葉が2人の脳裏に思い出される。「これは、わしらの家宝じゃ…」秀吉は草履を胸にしまい込む。「ふう…はあ」一息ついた秀吉は立ち上がり小一郎と向き合う。「出陣の支度を急がせよ。目指すは明智の首。上様の敵討じゃ!」「はーっ!」兄弟は信長を失った悲しみを胸に刻み、主君の仇である明智光秀討伐を決意した。
兄弟の決意に視聴者のコメント続々
このシーンは、小一郎と秀吉の信長に対する強い想いに、視聴者の注目が集まったと考えられる。
備中からとてつもない速度で帰ってきた秀吉。森乱(市川團子)から聞いた事実をあえて伏せ、誰よりも信長を想う秀吉の心情を利用した小一郎は罪悪感にさいなまれていた。頑なに信長の死を信じなかった秀吉だが、やつれた小一郎の様子から現実を知る。主君を亡くしたした2人だったが、与一郎が持参した信長から賜った草履に光秀討伐を誓った。
SNSでは「頼むから違うと言ってくれって発言、秀吉も暗に信長が死んでることを認めちゃってるんだろうな」「ここで草履が出てくるのはあついな。二人にとっては初めての信長からの褒美だし、2人が一緒に力を合わせて歩んでいくきっかけにもなったアイテムだもんなあ」「あれだけ悲しんでいるからやっぱり小一郎にとっても信長は大きな存在だったんだな」と、兄弟の決意に視聴者のコメントが集まった。
兄弟の再会の場となった尼崎城だが、現在知られている江戸時代に戸田氏鉄が築いた尼崎城とは別の城だ。大物と呼ばれる現在の兵庫県尼崎市大物地区周辺に築かれた城で、1526(大永6)年に細川高国が西摂津支配と大阪湾の海上交通を押さえるために築いたとされている。交通の要衝である尼崎を支配することは、京都と堺を結ぶ政治・経済の重要ルートを押さえる意味があった。その後は細川氏、三好氏、松永久秀(竹中直人)らがこの城を手に入れようと争っている。

