「どう受け止められるかということへの想像力が求められる」――6月23日に開催された放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会では、テレビ東京のバラエティ番組『※女性は見ないでください』について議論。女性側の言動を、女性たちが見聞きできない状態で男性側が自由に物申す内容に、批判的な視聴者意見が寄せられた。
「炎上に近い反響を狙ったのだろう」
同番組は男女3人ずつが対談し、女性側の言動で気になった点について、ついたてなどで女性たちが見聞きできないようにした上で、男性側が自由に物申していくという内容。公開された議事概要によると、視聴者からは「女性への偏見や差別を助長する内容だ」などの意見が寄せられたという。
委員は、この番組について「ゲストの女性3人が番組から除外されて無視され、まったく尊重されていない」と報告。一方で、「人権侵害ではないが、番組制作のセンスは悪いなと思う」との見解を示した。
これに対し、別の委員からは、女性たちの人権が侵害されているようには見えず、「段取りのあるコントのように見えた」とする意見も出た。その委員は、挑発的な番組タイトルを掲げたことについて「いわゆる炎上に近い反響を狙ったのだろう」と推測しつつ、それが放送局自体のイメージ悪化に直結する状況を招いた点について「配慮が足りなかった」と指摘した。
また、批判的な視聴者意見の多数が女性からのものだったことに触れた委員は、挑発的な番組タイトルを付けたことは制作側にとって「大成功」だったとも述べた上で、過去には逆のパターンとして、子育て中の女性タレントたちが夫の男性陣をこき下ろすような番組も多くあったとして、慎重な判断の必要性を強調した。
バラエティの“お約束”は共有されなくなっている
一方、別の委員は、現在の視聴者の受け止め方の変化にも言及。「いまやバラエティ番組の“お約束”は、多くの人に共有されなくなっている」と述べ、悪口を言われることを「おいしい」と受け止める空気が成立しにくくなっていると指摘した。
制作者側が、出演者にとって「おいしい」演出だと視聴者も思ってくれると信じていても、そうは思わない視聴者が増えているため、そうした演出は成り立ちにくくなっているという見方だ。同委員は、世の中の変化への配慮も足りなかったと述べた。
さらに別の委員は、同番組について「安易な方法で注目されたいということで思いついたような作り方」と評し、プロレスの技の繰り出しを見ているような印象で、それが見えすぎて「笑えないレベル」と指摘。青少年委員会で「討論」に進めて話し合うレベルではないとしながらも、社会的に女性差別が残っている状況では、番組がどう受け止められるかについて想像力が求められると結論づけた。
女性歌手の冠番組にも批判的意見
この日の会合ではほかにみ、女性歌手でタレントの冠バラエティ番組で、その歌手が嫌いな年長の女性芸能人の名前を叫んでサッカーボールを蹴る演出についても、視聴者から批判的な意見が多く寄せられたことが報告された。同番組については、6月で番組が終了した。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはなかった。
