テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、21日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第24話「軍師官兵衛!」の視聴分析をまとめた。
信長への恐怖で一人逃げ出した夫・村重
最も注目されたのは20時19~20分で、注目度73.2%。だし(山谷花純)が、小一郎(仲野太賀)の眼前で斬首されるシーンだ。
長い籠城の末、ついに荒木村重(トータス松本)は降伏を決断した。小一郎の調略を受けた妻・だしの説得がその決め手となったのだ。しかしその直後、村重はだしをはじめ城の者たちに何も告げることなく、ただ1人で城を逃げ出した。最後まで信長(小栗旬)への恐怖心を振り払うことができなかったのだ。
村重が去った有岡城は兵たちの士気も崩れ、ほどなく織田方の手に落ちた。信長は見せしめのために村重の家臣を皆殺しにし、だしを含めた村重の一族には京の六条河原で斬首を命じた。刑の執行の日、織田家重臣である小一郎の前にだしが引き立てられる。だしは小一郎を見るとかすかに微笑み、用意された筵(むしろ)の上へ静かに座り上着を脱ぐ。取添が目隠しを差し出すが、「要りませぬ」と毅然として断る。すでに覚悟は定まっていた。小一郎の前で首切役の刀が水で清められる。
その頃、どことも知れない遠くの茶室では、妻の惨状を想う村重が慎重な面持ちで茶を点てていた。多くの見物人が見守る中、いよいよ首切役が刀を振り上げる。「はあぁ…」望んだことではなかったとはいえ、この悲劇の一端を担うことになった小一郎の体は震えていた。それでもだしから目をそらすことはない。「殿。それでも、お慕い申し上げておりました」村重に見捨てられただしだが、その死の間際に去来したのは、村重と過ごした日々の思い出だった。次の瞬間、刀が振り下ろされた。村重は茶室で1人、静かに茶を点てていた。
「シルエットで首が落とされる瞬間のインパクトが凄まじかった」
このシーンは、毅然と運命を受け入れただしに、視聴者の視線が集まったと考えられる。
有岡城の家臣たちを救うために小一郎の調略を受け入れただし。小一郎も無駄な血を流さずに済むと安堵していたが、事態は思わぬ展開に。村重が信長を恐れるあまり逃げ出すというとんでもない行動に出たのだ。もはや小一郎になす術はなく、だしの斬首が執行されるのを見守るしかなかった。一時は取り乱しただしだったが、その最期は武家の妻らしい堂々としたものだった。
SNSでは「裏切られたことに激昂しつつも、それでも夫を憎み切れず結局最期の瞬間まで村重を想っていただしさんが悲しい」「シルエットで首が落とされる瞬間のインパクトが凄まじかった」「堂々としていたのはこれ以上、村重の評判を落としたくないって思いもあったのかもしれないな」と、戦国武将の妻として立派な最期を遂げただしにコメントが集まった。
だしは1558(永禄元)年頃の生まれとされ、村重とは20歳以上の年齢差があった。また、『信長公記』によると今楊貴妃と称されるほどの美貌の持ち主であったと記されている。2人の妹も村重の一族に嫁いでいたため、六条河原でともに斬首されたと伝わっている。享年21の若さだった。
有岡城は現在の兵庫県伊丹市にあった戦国時代の城。もともとは伊丹氏の居城である伊丹城だったが、1574(天正2)年に荒木村重が城を奪取し、大規模な改修を行って有岡城と改称した。城下町まで含めて堀や土塁で囲む惣構を備えた巨大な城郭であり、当時としては最先端の防御システムを持っていた。
1577(天正5)年には宣教師フロイスが訪れ、壮大で見事な城と記録している。

