北大路欣也主演、藤沢周平原作による時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇シリーズ最新第9作『三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆』(時代劇専門チャンネル:3月7日19:00~ほか)。今作で描かれるのは、理不尽な苦しみを背負う者たちに、あたたかくも揺るぎない芯のある眼差しを向ける清左衛門(北大路)と、物語の鍵となるつましく生きる夫婦の物語だ。
初共演で夫婦役を演じた佐藤流司と山谷花純が、作品に臨んだ心境や時代劇という文化を継承していく思い、さらには苦難に陥った際に助けられた経験などを語った――。
「悲しみを押しつけない」「覚悟を生き抜く」役作り
――今回の役に挑むにあたって、どんなアプローチをされたのでしょうか。
佐藤:私が演じる友助はとても悲しい役だったのですが、演じる側として「自分、悲しいんです」とやりすぎると見てくださる方が冷めてしまう気がして。それでも強く生きようとする心の強さが垣間見えるように意識しました。
山谷:はなえは切ない役どころですが、「かわいそうな女性」とは思われたくなかったんです。限りある幸せや喜びのシーンを何十倍にも膨らませて、「覚悟を持って生き抜く女性」という意識で演じました。
――佐藤さんはこれまで『刀剣乱舞』など殺陣をやる作品も多いと思いますが、今回違いを感じた点は?
佐藤:友助は剣の達人ではなく、まだ習っている身分なので、強すぎないようにしました。がむしゃら感や緊張感、手の震えみたいなものを意識しましたね。
――上手くできないように見せる殺陣というのは、逆に難しいものですか?
佐藤:上手くやるのも下手にやるのも、難易度は一緒かなと思います。今回は手数もそこまで多くなかったので、現場で合わせていきました。
――山谷さんも時代劇の出演経験があると思いますが、今回違いを感じた点はありましたか?
山谷:東京と京都で撮る時代劇は、どこか雰囲気が違うなと思っていて。京都の太秦で撮る時代劇はとても緊張します。
――ベテランのスタッフさんが多いですし、その“職人感”も緊張につながるのでしょうか。
山谷:各部署に職人さんがいらっしゃる場所なので、まず受け入れてもらうところからスタートするのが京都の現場なのかなと思っていたのですが、入ってしまえばすごく優しくて、今回の撮影で約1カ月京都に滞在して、スタッフの皆さんとコミュニケーションを取るうちに印象も変わって、大好きになりました。
――佐藤さんは京都での撮影経験は?
佐藤:4回目くらいだと思います。今は勝手にホームグラウンドだと思わせてもらってる感じですが、確かに最初は緊張しました。入れば受け入れてくれて、「また来てね」と言ってくださるのがとてもうれしくて。
山谷:佐藤さん、京都にとても馴染んでいましたよ(笑)。「これはホームと呼べるな」と思って、ちょっとうらやましかったです。
――『三屋清左衛門残日録』は人気シリーズですが、この現場ならではの撮影方法や慣習はありましたか?
佐藤:誰かが一方的に舵を切るというより、キャスト・スタッフが一丸となって作っている環境だと感じました。監督が撮りたい画と、北大路さんが思う『三屋清左衛門残日録』という作品のあり方を、とても綿密に話し合っていて、監督が「ついて来い!」というより、全員で一つのゴールに向かって作り上げている印象でした。
山谷:9作目になるシリーズで、新しいゲストが入る時に、これまで積み重ねてきた歴史を各部署の方々が作業をしながら伝えてくださるのが、この座組ならではだと思いました。結髪の方や着付けの方が、「あのときはこんな大変なシーンがあったんだよ」と教えてくださるので、歴史を疑似体験できるような感覚があってとても楽しかったです。
人見知りの沈黙を越えて――“夫婦”としての信頼関係
――お互いの印象はいかがでしたか?
山谷:今回が初共演なのですが、勝手なイメージで豪快な方だと思って緊張していたんです。でも撮影を重ねるうちに、豪快さはありつつ、ものすごく気をつかってくださる心の根っこが優しい方だなと思いました。
佐藤:ありがとうございます。山谷さんは真面目ですね!
――おふたりで演技について事前に話し合ったことはありますか?
佐藤:撮影前にプロデューサーの方々と一緒に食事に行かせてもらったのですが、それがなかったら、「お互い人見知りすぎて現場で全くしゃべってなかったね」と話していました(笑)
山谷:あの時間があって本当に良かったです。
佐藤:最初にリハーサルをした時は食事に行く前だったので、会話が本当になかったんです。
山谷:幸せなシーンが、すごく硬いものになっていたかもしれません(笑)




