• 第2試合:タモンズvs黒帯

これまでフジテレビの代表的なネタ番組に携わってきた角山氏だが、ネタ番組と賞レースでは意識が大きく異なる。ネタ番組は漫才やコントの並べ方、数多あるネタから何を選ぶかというセンスが問われる一方、賞レースは「いかに大会を盛り上げていくかというシステムとルール作り」に重きが置かれる。

中でも『THE SECOND』は、観客審査という市井の人々に勝敗の大きな部分を委ねる賞レース。そのため、「その人たちから嫌われない、不快に思われない、疲れさせない環境作り」を強く意識しているという。

クライマックスの決勝戦において、疲れで笑いが削がれてしまうのは避けなければならない。特に今年は放送時間が昨年より30分長くなる。観客は前説を含めると5時間以上スタジオで座ることになるため、CM中に立ったり伸びをしたり、トイレに行ってもらったりできるようにするのは例年同様だが、今年はパイプ椅子で背もたれを設け、少しでも疲労感を軽減させる。

ちなみに18時30分からの冒頭30分では、各ファイナリストがノックアウトステージでどのように勝ち上がってきたのか、そのプロセスを厚く扱う予定。ただ、この時間帯をネットする局は半数程度で、実質的に大会がスタートするのは全国ネット放送が開始される19時であることから、テンポ感や段取りは例年と大きく変えない方針だ。

  • 第3試合:シャンプーハットvsリニア

必然的に決まった漫才中のカット割り

賞レースのネタ中の場面で毎回議論になるのが、審査員を映すカットが入る頻度。SNSでは、ネタを披露する芸人を見続けたいという声が上がり、最近でも他局の特番でザ・ドリフターズの名コントを見るスタジオ出演者のカットが不要だという指摘が相次いだ。

視聴者への“ガイド”としての役割を担う演出手法だが、『THE SECOND』では第1回大会から「漫才中は漫才しか見せない」ことを徹底している。審査員が芸能人ではなく一般募集で顔を映せないことに加え、「スイッチングの間にネタの大事な部分や笑いどころが起きてしまう可能性があり、生放送である以上、ネタの展開を完全に読むことは難しい」という理由からだ。前述のタイムマシーン3号のプロペラの件は、まさにその事例と言える。

お笑いに詳しくない視聴者にとっては、東野幸治や有田哲平、博多華丸・大吉、さらにはスーパーオーディエンスの著名人たちが笑っている顔が映ることで安心して見られる面もあるかもしれない。

それでも角山氏は「番組にはお笑い愛の強いスタッフが集まっているので、ここは芸人さんファーストという観点からすると、必然的にそうしたカット割りになりました」と話す。

一方で、大会を長く続けるためには、お笑いファンだけに向けた番組であり続けるわけにもいかない。第1回、第2回でお笑いファンには認知してもらうフェーズを経て、前年の第3回からは裾野を広げるべく、前述のスーパーオーディエンスを導入し、今年は猪狩蒼弥、鳥谷敬、花澤香菜、松村沙友理の4人が担当。様々なジャンル、世代の人たちに“広報担当”の役割を担ってもらうことで、お笑いに強い関心がない人でも、「この人が出ているなら見ようかな」「あの人が応援しているなら見ようかな」という入口が生まれる。

さらに今年は、SNS用のプロモーション映像も制作。若い世代を中心に支持を受けるYOASOBIがカバーしたRADWIMPSの名曲「会心の一撃」に乗せ、これまでの選考会やノックアウトステージの戦いぶりと漫才師たちの悲喜こもごもを描いた4分のショートムービーとなっており、コアなファンを裏切らず、同時に間口を広げる施策に取り組んでいる。

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