『ボーダレス~広域移動捜査隊~』 水曜22時~ テレ朝系
出演者:土屋太鳳、佐藤勝利、井ノ原快彦ほか
寸評:「移動捜査課」「トラック」「7人の刑事」という設定をどう受け止めるかで評価が変わる作品。緊急性の高い医療の『TOKYO MER』と比べると必然性に欠ける設定だけに、警察内部の人間模様を掘り下げて引きつけたいところ。『踊る大捜査線』『教場』シリーズなどを手がけた君塚良一の脚本でありエンタメ性には期待したいが、1号車、2号車の設定や登場シーンなどは子ども向けドラマの感もある。テレ朝なら特撮系が放送されている休日朝のほうが受けそう。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】
『月夜行路―答えは名作の中に―』 水曜22時~ 日テレ系
出演者:波瑠、麻生久美子、柳俊太郎ほか
寸評:「主人公がトランスジェンダーで文学オタク」「文学の知識が鍵のミステリー」というかなりの異色作。原作は「本の楽しさを伝え、本を売りたい」という出版業界のロジックで作られた“小説ファン向けの小説”のため、映像作品との相性は微妙か。実際アニメーションや吹き出しなどを多用した演出は没入感を分断し、バラエティのムードを感じさせられる。同じ本の世界では辞書編集の世界を描いた『舟を編む』のような演出上の自然さは感じられず。ただ文学オタクの聖地巡礼シーンはリアルな“推し旅”を見ているようでほっこりさせられる。
採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】
『LOVED ONE』 水曜22時~ フジ系
出演者:ディーン・フジオカ、瀧内公美、八木勇征ほか
寸評:法医学系の作品は多く、この枠でも昨夏に『最後の鑑定人』を放送したばかりで差別化は難しい。ライターズルーム形式を採用しているが、1話完結型ではエピソードを練り上げることは困難ではないか。ディーン独特の異国感、松山博昭監督の色彩豊かな映像、イケメンぞろいなどで重くなりすぎず、いい意味での軽さを出せていることが救い。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】
『102回目のプロポーズ』 水曜23時~ フジ系
出演者:せいや、唐田えりか、伊藤健太郎ほか
寸評:「賛否は織り込み済みで、局の貴重な財産を生かしていこう」という戦略は民放にとって重要であり、無難なリメイクではなくリスクのある続編に挑戦したところは好感が持てる。『101回目』は格差純愛だけでなく、底抜けに明るいトークが重要な作品だったが、『102回目』はせいやと武田鉄矢らがそれを担うなどポイントは外していない。「浅野温子が演じる薫が亡くなった」という設定以外はバランスのいいプロデュースが見られるが、30分尺は物足りなさを感じてしまう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『今夜、秘密のキッチンで』 木曜22時~ フジ系
出演者:木南晴夏、高杉真宙、瀧本美織ほか
寸評:“共同テレビとマガジンハウスで共同開発した漫画とほぼ同時スタート”というビジネス的な仕掛けによるメリットとデメリットが見受けられる。メリットは互いのノウハウをかけ合わせられ、PRの相乗効果を狙えること。一方のデメリットはファンタジー、薬膳料理、極端なモラハラ夫などの無難な設定を詰め込みがちになってしまうこと。特に“ゴーストイケメンシェフ”という設定は夢物語すぎて「シビアな現実を生きる令和の人々に響くか」と言えばあやしい。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】
『君が死刑になる前に』 木曜23時59分~ 読テレ・日テレ系
出演者:加藤清史郎、鈴木仁、唐田えりかほか
寸評:「7年前にタイムスリップした主人公ら3人が連続殺人事件の死刑囚と出会う」というホラーテイスト強めのサスペンス。事件の真相とタイムスリップした意義をどう結びつけるのか。それが序盤で見えなければ、安易なファンタジーの悪用とみなされるリスクが高い。事実上のヒロインに唐田を起用するなど攻めのプロデュースには好印象。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『刑事、ふりだしに戻る』 金曜21時~ テレ東系
出演者:濱田岳、石井杏奈、鈴木伸之ほか
寸評:テレ東×アミューズクリエイティブスタジオの共同製作によるオリジナルで、今作が第4弾だけにコラボがこなれてきた感がある。「人生と恋、事件の捜査をやり直すタイムリープサスペンス」というコンセプトは何度も見てきたものだが、過不足のない脚本・演出、映像の作り込みなどは今春トップクラス。濱田のハマリ役で安心して見られる。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】






