福井県小浜市の高校生が、14年間にわたって代々タスキをつなぎ宇宙食を実現した実話に基づくフジテレビ系ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』(毎週月曜21:00~)。原案は、生徒と長年伴走してき小坂康之氏と筆者の共著『さばの缶づめ、宇宙へいく』(イースト・プレス)だ。
これまでも映画化やドラマ化の話は多数あったが、なかなか思いがかみ合わず、今回ようやく実現することに。北村匠海さんが小坂氏をモデルに、神木隆之介さんがJAXA(宇宙航空開発研究機構)の宇宙日本食開発担当を演じるということで、「ぜひおふたりにお話を聞いてみたい!」と願っていたところ、インタビューの機会が舞い込んできた。期待以上に熱かったおふたりの思いを、ぜひ受け取っていただきたい。
「こんなに自分の考えとぴったりな実話があったんだ」
まずお聞きしたのは、高校生が作ったサバ缶が宇宙に届いたという実話や、原案本のどこに感動したかについて。北村さんはコトの始まりから語り始めた。
「そもそもプロデューサーさんと『教師がやりたい』という話をしている中で、『どういう教育理念に賛同するか』『どういう先生でいたいか』という話になりました。僕は、大人が答えを与えてあげることはしたくない。生徒が何かに向かって進んでいくときに見守るというか、共に歩んでいくような物語がいい。(その背景には)自分が児童役だった『ブタがいた教室』(2008年)のように子どもファーストで進んでいく作品にたくさん出会ったっていうのもありました。
その議論の中で、高校生たちが開発した宇宙食のサバ缶の話があがって。本を読ませていただいた時に、自分が考えていたことを、まさに小坂先生はやってらして、共感や尊敬を覚えました。先生はJAXAなどに対しては裏でいろいろ頑張るけど、学校という現場では見守り、生徒たちの背中に手を添えることぐらいしかしない。そこに僕はすごくドラマとしての魅力を感じたんです。生徒たちと先生が夢をかなえたということよりも、夢に向かっていく道を一緒にどう歩んできたかというところに、ものすごい感銘を受けた。読んでいて、こんなに自分の考えとぴったりな実話があったんだと」と、運命の出会いを饒舌に語ってくれた。
「こんなにも素敵な物語は見たことがない」
神木さんは「ひたすら感動した」とストレートな想いをまず口にした。「いろいろな物語を見てきた中で、夢や意思、想いが代々受け継がれていってそれをかなえたという、こんなにも素敵な物語は見たことがないという印象でした。大きな一歩を踏み出して進むこともあれば、時間的にもすごく悔しい想いをして卒業していった方々もいらっしゃって。でもその方たちは、後輩たちが絶対に自分たちの夢をかなえてくれるっていう確信があった。現実の厳しい面もありつつ夢が継がれてかなえられていくというのにすごく感動しましたし、いっぱい元気を頂きました」
神木さんが演じるのはJAXAの宇宙日本食開発担当・木島真。胸にJAXAロゴが記されたジャケットに身を包む姿が、めちゃくちゃ似合ってカッコイイ!
「僕は今回、JAXA職員さんの役で。時に厳しいことを(宇宙食の)規定として言わないといけないわけです。生徒、教師、JAXA、地域の方々が心を一つにした結果が実際に宇宙まで届いたんだなと思うと、自分が今やっているお芝居も、もっと頑張ろうと後押ししてくれたストーリーだとすごく思いました」
想像以上におふたりが本を読み込んで、宇宙食実現までのコアとなる部分をしっかりつかんでくれていることが伝わってきて、聞きながら泣きそうになるのを必死に我慢していた。


