JR北海道は11日、留萌本線の鉄道事業廃止(2026年4月1日に廃止予定)に伴う「新しい交通体系」の概要を発表した。留萌本線は深川~石狩沼田間を結ぶ14.4kmの路線。かつて深川~増毛間(66.8km)を結んでいたが、段階的に廃止が進み、現在は日本で最短の「本線」となっている。
現在、留萌本線(深川~石狩沼田間)では1日に計14本の列車を運行しているが、廃止後はこの一部を路線バス(道北バス)に置き換える。従来より運行している貸切バス(明日萌観光バス)、路線バス(空知中央バス)と合わせ、平日19本・土休日13本の体制で運行を予定している。
道北バスは深川~石狩沼田間で平日8本・土休日7本を運行。既存の停留所31カ所を5カ所程度に絞り込み、速達便として運行する。朝の1便は深川西高校に乗り入れる。明日萌観光バスは現在、深川西高校に乗り入れているが、「新しい交通体系」への移行後は深川~石狩沼田間のみの運行となり、同校への乗入れは廃止する。運転本数は平日1本で、土休日は運転しない。空知中央バスは現在と変わらず、深川市立病院~石狩沼田間で平日10本・土休日6本を運行予定。その他、旭川~留萌間を結ぶ路線バス(沿岸バス・道北バス)は現在と変わらず1日10本の運行を予定している。
バス利用者の利便性向上を図るため、沿線の施設整備も進められる。深川駅周辺では複合施設を整備中で、バスターミナルとして機能する予定。秩父別ではコミュニティプラザ「ピリナ」が2025度中にオープンし、バス待合所として利用される計画となっている。なお、「新しい交通体系」の具体的な停留所や時刻については調整中。今後の協議を経て決定する予定とされている。