――朝ドラ『エール』から俳優として作品を重ねる中で、役との向き合い方や俳優業への思いなど、変化はありますか?
今までコントしかやってなかったので、出演させていただく作品それぞれ共演者の方や監督さんからいろんなアドバイスをいただきながらやっていて、それが一個一個血となり肉となりじゃないですけど、次の作品に生きている気がします。
――コントがすごくお好きだという印象が強いですが、ドラマなどで演じるのも楽しいですか?
ずっと楽しいです! コントとすごく違うわけでもなく、何かになりきって演じることがめちゃくちゃ楽しくて好きなので、ドラマの現場も楽しいです。
――俳優業にも挑戦してみたいという思いはもともとあったのでしょうか?
俳優をやりたいという思いはなかったですが、お仕事をいただいてやってみて、笑いをとるためだけではなく、感動させたり悲しくさせたり、お笑い以外を表現することも楽しいなと思うようになりました。
――コントでの演技が俳優業にプラスになっていると思いますが、俳優業の経験もコントにプラスになっていると感じますか?
最初の笑いを起こすまでのつかみの部分は雰囲気作りの演技がめちゃくちゃ大事で、ギャップで笑わせるみたいなところもあるので、その雰囲気作りの演技は前よりも磨きがかかっていると思います(笑)。最初しんみりさせておいてそこから笑わせるときの最初のしんみり感は前よりは出せていると思います。
――コントの影響でオーバーになりがちだという話がありましたが、作品を重ねてナチュラルな自然体の演技に近づいているという手応えはあるのでしょうか。
意外と抜きすぎても僕がやっている意味というか僕らしさがなくなってしまうのかなと、そう感じるようになってきました。ドラマではないのですが、CM撮影のときに江口洋介さんから「もうちょっと岡部くんらしさが出ていいと思うよ」とアドバイスをいただき、次のテイクでそうしてみたら、「こっちのほうがいいじゃん」と言ってくださって、自分でも生き生きしているなと思ったので、これからはつまみの加減が課題かなと。抜きすぎても無味無臭というか岡部感がなくなってしまうので、岡部感を出しつつ馴染ませるか、その絶妙なところを場面場面で調節できるようになっていけたらいいなと思っています。