2020年にNHK連続テレビ小説『エール』でドラマデビューし、今年、『しろめし修行僧』(テレビ東京)でドラマ初主演、来年のNHK大河ドラマ『どうする家康』への出演も決定しているお笑いトリオ・ハナコの岡部大。現在放送中のTBS系日曜劇場『アトムの童』(毎週日曜21:00~)では、主人公の学生時代の先輩でネットカフェの店長・森田聡役を好演している。初の日曜劇場出演が自身にとってどんな経験になっているのか岡部にインタビュー。また、俳優業への思いや感じている課題、さらに、並行して撮影しているという大河ドラマの撮影についても話を聞いた。

  • ハナコの岡部大 撮影:加藤千雅

本作は、ゲーム業界を舞台に、若き天才ゲーム開発者・安積那由他(山崎賢人)が大資本の企業に立ち向かう姿と、周囲の人たちとの関わりによって成長していく姿を描く物語。岡部が演じるのは、那由他が間借りしているネットカフェの店長・森田聡。森田は那由他の学生時代の先輩であり、那由他が若き天才ゲーム開発者の「ジョン・ドゥ」であることを知る数少ない人物だ。

――『アトムの童』出演はどんな経験になっていますか?

とんでもなく濃い時間を過ごさせていただいています。セリフ量も多いですし、思ったより岡部出てるじゃんって。そこでいいなと思ってもらえるように頑張りたいと思います。

――日曜劇場にレギュラー出演というのは大きな経験になりそうですね。

そうですね。そして、今まで演じさせていただいた役は弟っぽいキャラや、どこか抜けているキャラでしたが、森田はなめられてしまう先輩な部分もありつつ、那由他のことをしっかり見守って、背中を押すときはグッと押してあげるようなお兄ちゃんキャラでもあるので、そういうところは今まで演じたことがないなと思っています。

――役の幅が広がりましたね。

弟系からお兄ちゃん系までいけるぞと(笑)

――山崎さんとの共演で俳優として学びなどありましたか?

僕はコントでも張り芸で、大きい声を出して変な顔をしてというのが得意なので、演技するときに力が入りがちなのですが、賢人くんは力を抜きながら、ポロっと言う一言がグッと響いて素敵だなと。僕もさらっと言った一言がグッとくるみたいな、そういうのもできるようになれたらいいなと思いました。

――よりナチュラルな演技ということでしょうか。

そうですね。張り芸ではなく抜きの演技を。

――演技は引き算だとおっしゃる方もいますよね。

僕はすぐ足し算、掛け算しちゃうんだよな~すぐ大きい声を出したくなってしまって(笑)

  • (C)TBS

――衝動を抑えて演じている感じでしょうか。

最初にドラマの仕事が入ったときに事務所の(渡辺)ミキ社長から社長室に呼び出されて、「ドラマは大きい声を出して変な顔をしていればいいというわけではないですから。いかにその空間に存在して自然にいることが大事なんですからね」と。そして、「ちょっと読んで見なさい」と言われて(セリフを)読んだら「いいんじゃないですか。そんな感じですよ」と、お墨付きをもらってドラマの仕事に入りました。

――社長から直々にアドバイスを!

そうなんです。自社のタレントが出演している作品はもれなく見られていて、時々LINEや電話もいただきます。「見ました。よかったと思います」とか、「もうちょっとこういうところを頑張れたら」とか。秋山(寛貴)が描いたミキ社長のLINEスタンプがあって、社長もよく使われているのですが、よかったときは「グー」ポーズを送ってくださいます。

――例えばどの作品のときに褒めてもらいましたか?

『しろめし修行僧』が終わったときに、「本当にあなたにぴったりの役ね。みんなに愛されてまた帰ってこられたらいいわね」と言っていただきました。

――『アトムの童』でもうれしいお言葉がもらえるといいですね!

また「グー」スタンプがもらえるように頑張ります!

――日曜劇場の印象として顔芸も挙げられていました。ナチュラルな自然体の演技を意識しつつ、顔芸が見られるところもあるのでしょうか。

表情で見せるところもあります。「森田、那由他を見つめる」とか「森田、驚きの表情」とかあるので、そういうところは存分にやらせていただいています!