主要17作がそろった2021年の夏ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、主要新作の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(2021年夏ドラマ17作の傾向分析! オススメ5作は『ハコヅメ』『推しの王子様』『ただ離婚してないだけ』など)において2021年夏ドラマの主な傾向を[1]各ドラマ枠が過去最速級のスタート [2]各局が“超安全策”で勝者なき戦いへの2つと分析。

おすすめドラマとして、『ハコヅメ』(日テレ系 水曜22時)、『八月は夜のバッティングセンターで。』(テレ東系 水曜25時10分)、『推しの王子様』(フジ系 木曜22時)、『サレタガワのブルー』(MBS 火曜24時59分/TBS 火曜25時28分)、『ただ離婚してないだけ』(テレ東系 水曜24時)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

『ナイト・ドクター』 月曜21時~ フジ系

  • 波瑠

  • 田中圭

出演者:波瑠、田中圭、岸優太、沢村一樹ほか
寸評:どう見ても『救命病棟24時』と『コード・ブルー』に夜というテーマを交えた作品。ただ若者群像劇なら年齢とキャリアをそろえたほうが爽快感はあった。各話の物語が単純で先が読めるのがつらいところ。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】


『彼女はキレイだった』 火曜21時~ カンテレ・フジ系

  • 小芝風花 撮影:蔦野裕

出演者:中島健人、小芝風花、赤楚衛二ほか
寸評:韓国ドラマ原作らしい極端なキャラ設定と、ど真ん中のアイドルが主演という2つのハードルで見る人を選ぶ作品になった。カンテレにTBSの「火曜ドラマ」を踏襲するようなラブコメは似合わない。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】


『プロミス・シンデレラ』 火曜22時~ TBS系

  • 二階堂ふみ

  • 岩田剛典 撮影:蔦野裕

出演者:二階堂ふみ、眞栄田郷敦、岩田剛典ほか
寸評:「OL」のリアルに「キュンキュン」のがこの枠のベースだが、今作はぶっ飛んだ設定で勝負に出た。同枠では共同テレビ製作も初めてであり、遊び心のある演出も見られるなど実験作だろう。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】


『サレタガワのブルー』 火曜25時28分~ MBS・TBS系

  • 犬飼貴丈

  • 堀未央奈

出演者:犬飼貴丈、堀未央奈、高梨臨ほか
寸評:「サレタガワ」と「シタガワ」の感情と行動のコントラストが鮮明かつ明快。ソケットとスミス監督による映像もインパクトがあり、元乃木坂46のセクシーも含め、深夜ドラマにふさわしい仕上がりに。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】


『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』 水曜22時~ 日テレ系

  • 戸田恵梨香

  • 永野芽郁

出演者:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦翔平ほか
寸評:最大の魅力は、刑事モノとは思えぬ脱力した世界観と、今期一の豪華キャストという絶妙のバランス。交番勤務の悲喜こもごもにほどよいリアリティもあり、コロナ禍の夏でも見やすいさわやかさもある。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】