主要21作がそろった2021年の春ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全新作の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(2021年春ドラマ21作の傾向分析! オススメ1位は『コタローは1人暮らし』) において、2021年春ドラマの主な傾向を「オリジナルVS原作アレンジ」「ドラマは23時台の時代へ」の2つと分析。

おすすめドラマとして、『コタローは1人暮らし』(テレ朝系 土曜23時30分)、『コントが始まる』(日テレ系 土曜22時)、『半径5メートル』(NHK 金曜22時)、『珈琲いかがでしょう』(テレ東系 月曜23時6分)、『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK 土曜21時)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

■『イチケイのカラス』 月曜21時~ フジ系

  • 左から黒木華、竹野内豊、新田真剣佑

出演者:竹野内豊、黒木華、新田真剣佑、小日向文世ほか
寸評:原作の主人公を変え、性格を変え、エピソードまで変える大胆アレンジ。ただ確信犯的に『HERO』に寄せた分、「初の裁判官ドラマ」という魅力が薄れた。これほど脚色するならオリジナルでよかったのでは。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『きれいのくに』 月曜22時45分~ NHK

出演者:吉田羊、稲垣吾郎、青木柚、見上愛、岡本夏美ほか
寸評:ファンタジーという言葉ではくくれない超難解な物語。意味不明なのに引かれてしまうのは、説明過多なドラマが多い反動で新しく見えるからだろう。大人と高校生、各俳優の静かな熱演は見逃せない。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

■『珈琲いかがでしょう』 月曜23時6分~ テレ東系

  • 中村倫也 撮影:辰根東醐

出演者:中村倫也、夏帆、磯村勇斗ほか
寸評:中村のハマりぶりはもちろん各話のゲストにじっくり演技をさせる荻上直子の脚本・演出は余韻たっぷりで映画『かもめ食堂』を思い出した人も多いのでは。主人公の過去も気になり、最後まで楽しめそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

■『大豆田とわ子と三人の元夫』 火曜21時~ カンテレ・フジ系

  • 左から東京03・角田晃広、岡田将生、松たか子、松田龍平

出演者:松たか子、岡田将生、松田龍平、角田晃広ほか
寸評:いかにも坂元裕二の脚本で、随所にテクニックを感じる一方、人物のクセが強く、冗舌すぎるため、メリハリに欠ける印象も。テーマと見せ場の不明瞭さも含めて、好き嫌いがはっきり分かれてしまう作品。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

■『着飾る恋には理由があって』 火曜22時~ TBS系

  • 川口春奈

  • 横浜流星

出演者:川口春奈、横浜流星、丸山隆平ほか
寸評:20代の若手主演とオリジナルのラブコメで攻め続け、しかも胸キュンから徐々に幅を広げる火曜ドラマ。インフルエンサー、ミニマリスト、表参道でルームシェアと浮世離れな設定で共感を集められるか。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『恋はDeepに』 水曜22時~ 日テレ系

  • 石原さとみ

  • 綾野剛

出演者:石原さとみ、綾野剛、大谷亮平ほか
寸評:「海を守りたい」vs「海を開発したい」という禁断の恋も、におわせまくる人魚風のシーンも、序盤はキュンやバズにつなげられていない。主演2人の年齢層にド真ん中のラブコメはミスマッチ感も。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

■『桜の塔』 木曜21時~ テレ朝系

  • 玉木宏 撮影:蔦野裕

出演者:玉木宏、広末涼子、椎名桔平ほか
寸評:テレビ朝日らしい一話完結の刑事ドラマフォーマットを捨て、警視総監を目指す人間ドラマにフィーチャー。同局の中では新しいが、他局にしてみれば今さらで、当枠を支えてきた視聴者の支持も微妙か。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】