JR北海道は14日、新型コロナウイルス感染症の影響で利用が大きく減少し、回復の見通しが立たない状況が続いており、利用回復に相当の時間がかかると予想されることから、利用状況に合わせたダイヤ見直しを検討すると発表した。実施時期は2021年春を予定しており、詳細が決まり次第、改めて告知される。

  • 石北本線経由の特急「大雪」。現行の定期列車4本の臨時列車への変更を検討している

同社は利用の大きく減少している列車を中心に、減便・減車や定期列車の臨時列車化を検討している。都市間輸送をはじめ、札幌圏を含む全道的な普通列車の見直しも実施し、今後も鉄道事業を継続するために固定費を含めた経費節減を図るとしている。

石北本線経由の特急列車に関して、旭川~網走間の特急「大雪」は現行の定期列車4本から臨時列車4本に変更し、利用状況に合わせた運転を検討する。札幌~網走間の特急「オホーツク」は現行の定期列車4本の運行を維持する。宗谷本線経由の特急列車に関して、旭川~稚内間の特急「サロベツ」を現行の定期列車4本から定期列車2本・臨時列車2本に変更。札幌~稚内間の特急「宗谷」は現行の定期列車2本を維持する。

  • 特急「サロベツ」は定期列車2本・臨時列車2本の運行を検討

函館本線の札幌~旭川間で運行される特急「ライラック」「カムイ」は、現行の定期列車48本から定期列車44本・臨時列車4本に変更。上下2本ずつ臨時列車とし、土休日と繁忙期など利用の多い日の運転を検討する。

函館本線・室蘭本線・千歳線経由で函館~札幌間を結ぶ特急「北斗」は現行の定期列車24本から定期列車20本・臨時列車2本に変更。夜間帯で利用の少ない列車を上下1本ずつ運転取りやめを検討するほか、上下1本ずつ臨時列車とし、利用状況に合わせた運転を検討する。特急「北斗」は現行の7両編成から5両編成に減車し、あわせて札幌~釧路間の特急「おおぞら」も現行の6両編成から5両編成に減車して、利用状況に合わせた増結を実施するとのこと。

普通列車等の見直しも図り、札幌圏では全体的な利用減少に合わせた10本程度の列車見直しと、輸送力の適正化を図るために10本程度の列車の土休日運休を検討する。その他、函館本線滝川~旭川間、留萌本線、石北本線、宗谷本線旭川~名寄間、根室本線滝川~新得間・新得~帯広間において、利用の少ない普通列車の見直しを行う。極端に利用の少ない駅の見直しも検討し、18駅程度を廃止の方向で協議中としている。

これらの見直しにより、経費節減額は年間約5.5億円(減便・減車で約5.0億円、駅の見直しで約0.5億円)を見込んでいる。