フジテレビは3日、東京・台場の本社屋と湾岸スタジオの入構を4日から一部制限すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、在京テレビ各局は社屋への入館規制など、追加の対応策を講じているが、一部の局では、生放送の報道・情報番組以外の収録中止にも踏み切っている。

  • 新型コロナウイルスの感染拡大対応に追われるテレビ各局

各局では2月末から順次、一般観覧客をスタジオに入れない“無観客収録”に移行し、3月末からは報道・情報番組で出演者の間隔を広げるといった対応を行っているが、ここにきてさらなる対策強化がとられている。

中でも「収録中止」という踏み込んだ対応を行っているのは、いずれも局内で業務に当たっていた派遣社員に感染が確認された、TBSとテレビ東京だ。

TBSは、出演者やスタッフへの感染予防を最優先するため、ドラマやバラエティなどのロケ、スタジオ収録を見合わせると発表。期間は4日から19日までとしているが、「それ以降については状況を見極めながら判断してまいります」としている。

テレ東は、3日から「原則として収録を中断」。向こう1週間をめどに、報道を除き、全社員の2割程度の出社で、放送を継続する体制に入った。

なおNHKは、出演者とスタッフが多い大河ドラマ『麒麟がくる』と朝ドラ『エール』の収録を、12日まで見合わせると発表している。

日本テレビ、テレビ朝日、フジは、収録の全面的な中止には至っていないが、フジはあす4日から、放送に直結する業務など必要不可欠な来館者を除いて、本社屋・湾岸スタジオへの入構を制限。7日からは入構の際に検温を実施する。日テレはすでに、汐留の本社屋2階ロビーを封鎖し、入館規制を行っている。

テレ朝は、六本木の本社1階アトリウムが休館しているが、出演者などの入館規制は行っていない。きょう3日には、『ミュージックステーション』の3時間SPが生放送されるが、歌番組を中心にマイクを共有しないなどといった対策を行っているという。

今後、日テレ、テレ朝、フジでも、収録中止となる事態が起こる可能性もある。SNSなどでは、「#再放送希望」というハッシュタグが作られ、収録中止に伴って過去の名番組を再放送することに期待の声が高まっているが、それを放送するのにも当時の出演者の確認作業などが必要だ。

また、編集室は数が限られる上、密閉された空間に複数人が入ることで感染リスクが高まるとも言え、関係者としては悩ましい問題になっている。